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2011年12月7日 研究

トマトジュースに男性不妊を予防・改善する効果が期待
〜カゴメ、国際医療福祉大学病院の共同研究〜

カゴメ株式会社(社長:西秀訓)と国際医療福祉大学病院リプロダクションセンター 岩本晃明医師は、トマトジュースの継続的な摂取が男性不妊患者の精子の運動率や精液中の白血球数(炎症の度合いを示す指標)を改善することを確認致しました。 トマトジュースを飲むことで男性不妊の予防や改善が期待されます。

なお、本研究内容は第56回日本生殖医学会(2011年12月8、9日 パシフィコ横浜)において発表いたします。
 

共同研究者 国際福祉大学病院 岩本晃明医師のコメント

近年、日本においても少子化や出生率の低下が深刻な問題となっております。不妊症患者の増加もその一因であると考えられますが、そのうち50%は男性側に原因があり特に精子の運動率の低下は受精率の低下に関与します。 本研究ではトマトジュースを継続的に摂取することが、男性不妊患者の精子の状態にどのような影響を与えるか評価いたしました。 その結果、トマトジュースには精子運動率の改善効果あるいは精液中白血球数の低下すなわち抗炎症作用などがあることを確認しました。 男性不妊症に対して、薬物ではない飲料であるトマトジュースが受精率向上の一助となる可能性があると考えられます。

研究の背景

不妊症の患者数は年々増加し続けており、そのうち50%が男性側に原因があると言われております。 男性不妊の原因のひとつとして、精子の状態が通常でないこと(精子の運動率の低下、精子の濃度が低い、など)があげられております。 また、精子に悪影響を与える因子のひとつとして、生体内、特に精巣などの精子に関係する臓器での活性酸素が指摘されております。 そのため、男性不妊に対してはビタミンEなどの抗酸化剤が用いられる場合もあり、症状の緩和や悪化抑制に有効であることも知られています。
トマトの赤色の色素であるリコピンは、優れた活性酸素消去能力を有しております。 さらに、リコピンは様々な臓器に蓄積されますが、特に精巣中に高い濃度で存在することが報告されております。 そこで、リコピンを含むトマト加工品の摂取、特に手軽に飲用できるトマトジュースなどを継続的に摂取することで、精子に何らかのよい効果をもたらす可能性があると考えました。
 

研究概要

≪目的≫
継続的なトマトジュースの摂取が男性不妊患者の精子の状態に与える影響を明らかにすることを目的として試験を行いました。

≪試験の方法≫
・被験者
国際医療福祉大学病院に通院する、1年以上の不妊歴を持ち、精子濃度もしくは精子運動率がWHOの精液診断基準値(※)を下回った20歳以上、45歳以下の男性44人を試験の対象といたしました。

 (※) WHOの精液診断基準値 精子濃度 20×106個/ mL以上
    精子運動率  50%以上


・試験食品、試験スケジュール
被験者を無作為にトマトジュース摂取群、抗酸化剤摂取群、非摂取群に群分けし、トマトジュース摂取群にはトマトジュース(190g/本)を1日1本自由摂取、抗酸化剤摂取群にはグルタチオン剤であるタチオン、ビタミンC剤であるシナール、ビタミンE剤であるユベラを摂取してもらいました。 試験は図1の要領で実施し、試験食品を12週間摂取してもらいました。

図1.試験スケジュール
 
図1.試験スケジュール
 

・評価項目
1.血中および精漿中リコピン濃度の測定
2.精子の状態について以下の項目を測定
精液量、精子濃度、運動率、奇形率、白血球数、精子運動能、直進速度平均、曲線速度平均、直進性、頭部振幅、頭部振動数、精子核損傷度

 

≪結果および考察≫
1.血清中および精漿中リコピン濃度
試験食品摂取前後の血中リコピン濃度を測定した結果、トマトジュース摂取群では血清中リコピン濃度、および精漿中リコピン濃度が有意に上昇することを確認いたしました(図2)。
 

図2.精漿中リコピン濃度
図2.精漿中リコピン濃度
 
 

2.精液状態の評価
試験食品摂取前後の精子の状態を測定した結果、トマトジュース摂取群において精子運動率の改善が認められました(図3)。 抗酸化剤摂取群においては精子運動率の上昇傾向が認められました。 

図3.精子運動率(0週目からの変化量)

図3.精子運動率 (0週目からの変化量)

図4.精液中白血球数(0週目からの変化量)

図4.精液中白血球数 (0週目からの変化量)

また、トマトジュース摂取群において精巣での炎症の度合いを示す指標である精液中白血球数の改善が認められました(図4)。 一般的に精巣で炎症が起こると精子の状態が悪化することが知られており、トマトジュースを摂取することで精巣での炎症が抑制されることが確認されました。
その他の精子の状態についての項目には有意な変化は認められませんでした。

 

≪まとめ≫
今回の研究から、トマトジュース摂取による精子運動率の上昇、精液中白血球数の改善が確認され、トマトジュースを継続的に摂取することで男性不妊が改善する可能性が示されました。

 

用語の説明

精液:
雄の生殖器官から分泌される精子を含む液体。液体成分「精漿」と細胞成分「精子」とで構成されます。

精巣:
雄の生殖細胞である精子を作る器官。哺乳類では睾丸とも呼ばれています。

リコピン:
カロテノイドの1つで、トマトに多く含まれる赤色の色素。 カロテノイドの中でも優れた抗酸化活性を有しており、活性酸素が原因と考えられる様々な疾病の予防作用を示すことが期待されています。脂溶性であることから油と共に摂取すると吸収性が高まります。

 

【資料】学会発表の要旨(日本生殖医学会)
「トマトジュースの摂取が男性不妊患者の精液性状と精漿中抗酸化マーカーに与える影響」

国際医療福祉大学病院リプロダクションセンター 岩本晃明、高見澤聡、菅藤哲、?田薫
カゴメ総合研究所自然健康研究部バイオジェニックス研究グループ 山本侑、宮下達也、相澤宏一、稲熊隆博
自治医大情報センター 三重野牧子

【目的】
造精機能に影響を与える因子の一つとして、精液中の活性酸素があげられている。 一方、トマトに豊富に含まれる色素であるリコピンは優れた活性酸素消去能があり、精巣中に高濃度で存在することが報告され、トマトの摂取は造精機能に対し好影響を及ぼすことが期待されているが、未だ対照群をおいた臨床試験は行なわれていない。 今回、トマトの造精機能に対する効果を確認するため、トマトジュースの摂取が男性不妊患者の精液性状と精漿中抗酸化マーカーに与える影響を検証することを目的した予備試験を行なった。

【方法】
国際医療福祉大学病院リプロダクションセンターに通院する50歳以下の男性不妊患者(エントリー条件:少なくとも2回の精液検査の平均精子濃度が20×106/ mL未満、もしくは平均運動率が50%未満症例)を被験者とし、封筒法によりトマト群、抗酸化剤群、対照群(非摂取群)に群分けした。 試験食品としてトマトジュース(リコピン30mg/本 含有)、抗酸化剤としてタチオン(グルタチオン300mg)、シナール(ビタミンC600mg)、ユベラ(ビタミンE150mg)を用いた。 トマトジュースは1日1缶を朝に摂取、抗酸化剤は1日3回食後に12週間摂取してもらった。試験開始から0、6、12週目に精漿中リコピン濃度測定、精液検査を行なった。 なお本試験は当大学病院倫理審査の承認を得て行なわれた。

【結果とまとめ】
被験者54名のうち、試験脱落者10名を除く44名(トマト群:17名、抗酸化剤群:15名、対照群:12名)で解析を行なった結果、トマト群において精漿中リコピン濃度の有意な上昇、6週目の運動率の有意な上昇、精液中白血球数の有意な低下が確認された。 症例数が少ないにもかかわらず運動率が6週目で有意に上昇したことからトマトジュースは精子無力症に対して改善飲料となり得ることが示唆された。 また抗炎症作用も有することが明らかになった。
 

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