乳酸菌の免疫力

乳酸菌は古くからの“友人”

パン、ワイン、チーズ、ヨーグルト、酒、酢、味噌、醤油、漬け物・・・人々は古くから乳酸発酵を利用して、さまざまな食品をつくりだしてきました。このように、乳糖やブドウ糖を利用して増殖し、その過程で乳酸をつくる(乳酸発酵)微生物を乳酸菌といいます。乳酸菌は、「乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)」「乳酸球菌(にゅうさんきゅうきん)」「ビフィズス菌」の3タイプに大別されますが、このうちビフィズス菌は、乳糖やブドウ糖から乳酸だけでなく、酢酸をつくりだすのが特長です。
乳酸菌の種類





乳酸桿菌
ラクトバチルス
(Lactobacillus)
乳酸球菌
ストレプトコッカス
(Streptococcus)
ビフィズス菌
ビフィドバクテリウム
(Bifidobacterium)

・形が棒状
・酸素の有無にかかわらず
 生きていける。
・形が球状
・酸素の有無にかかわらず
 生きていける。
・枝分かれした形。Y字形。
・酸素があると生存しにくい。


・L.ブルガリカス
・L.ヘルベティカス ・L.カゼイ
・L.ブレビス ・L.ガッセリ
・L.アシドフィルス
・St.サーモフィルス
・Lc.クレモリス
・B.ブレーベ  ・B.ロンガム
・B.ビフィダム
・B.インファンティス
・B.アドレッセンティス
乳酸菌にも個性がある
牛乳など動物性食材を発酵させてヨーグルトやチーズをつくるものは「動物性乳酸菌」、穀類や野菜など植物性の食材を発酵させてお酒や漬け物などをつくるものは「植物性乳酸菌」とも呼ばれています。
ヨーグルトをつくる乳酸菌には、L.ブルガリカスやSt.サーモフィルス、カスピ海ヨーグルトで有名になったLc.クレモリスなどがあります。同じ仲間であるL.ヘルベティカスは、風味をつくりだすために重要な菌です。
「植物性乳酸菌」には、代表的な菌としてキムチなどの漬け物をつくるL.ブレビス、L.プランタラムなどがあります。
善玉菌の代表選手であるビフィズス菌でいえば、B.ブレーベ、B.インファンティスは主に赤ちゃんの腸内(便中)で発見されますし、B.ロンガム、B.アドレッセンティスは、成人の腸内で発見されます。
同じ桿菌に属していても、L.カゼイとL.ブレビスでは異なる性質をもっており、それぞれの株によっても性質が異なります。具体的には、L.カゼイ SBR1202株はビフィズス菌を活性化させる作用がありますが、同じL.カゼイでもビフィズス菌に影響を与えない株もあります。
これらの違いは、植物にたとえれば、同じナス科でもトマトやピーマンのような違いがあったり、同じトマトにも、グルタミン酸が多いものやリコピンの多いものなどの違いがあるようなもの。つまり、乳酸菌の株一つひとつが異なる性質をもつ、固有の遺伝資源と考える事ができます。
腸の中では100兆個もの菌が花盛り
腸は、受精卵が分裂して臓器をつくりあげるプロセスのなかで、一番最初にできる臓器であり、生命維持に不可欠な栄養分を摂取する器官です。外界から入ってくるものを受け入れる入口であると同時に、体内に不要になったものの排出口でもあります。 口から肛門までつながっている管、という意味では、腸のなかは、“内なる外”ということもできます。食べ物や細菌など外から入り込む異物に絶えずさらされている器官ですから、異物に対する第一線の防御バリアが張りめぐらされているのです。すなわち、栄養分は吸収し、雑菌などは排除する役目をもっている、というわけです。
そんな私たちの腸内にはいくつもの細菌が繁殖しており、まるで色とりどりの花畑(フローラ)のようだ、という意味で、腸内フローラ(腸内細菌叢)と呼ばれています。
赤ちゃんのときには、ビフィズス菌や乳酸菌に代表されるような善玉菌が優勢ですが、加齢やストレス、飲酒、喫煙などによって善玉菌が減少し、ウェルシュ菌のような、体にとって有害な悪玉菌が増えるといわれています。