水口かんぴょうの始まりは慶長の始め。水口岡山城主であった長束正家の命により栽培が開始されたのでした。その後、水口から下野国の壬生に国替えになった大名によって現在の栃木県に広められました。江戸時代の浮世絵師である歌川広重は、夕顔(かんぴょう)を細長くむきそれを干す女性たちの様子を、東海道五十三次の錦絵に表情豊かに描いています。
1月31日 愛菜の日
愛菜の思いをもっともっと知っていただくために野菜についてのトリビアを紹介。
食べるだけではなく、食文化や歴史などを知ることでもっと野菜が好きになるかも!?
縁起のよいひょうたん型の「鹿ヶ谷かぼちゃ」。一般市場にはほとんど出回らず高級料亭などで料理されるかぼちゃです。現在では綾部市でわずかに栽培されている程度です。京都市内の安楽寺では、毎年7月に人々の健康を願ってこのかぼちゃが振る舞われる「かぼちゃ供養」が行われるそうです。
大阪の特産品の一つである泉州水なすは、江戸時代初期から栽培されてきた伝統野菜です。農作業中に丸かじりして喉の渇きを潤したと言われるほど、水分をたっぷりと含んでいます。一般的ななすと比べて皮が非常に柔らかく、ほんのり甘みもありアクが少ないことから、漬け物やサラダなどに最適です。
東は猪名川を境に大阪府と接し、西は武庫川を市境として西宮と隣接する尼崎市。2つの川の河口に広がる尼崎市は土壌が豊かで温暖な気候に恵まれています。武庫一寸そらまめは、今から1200年以上も前の時代、行基という僧侶がインドの僧侶から譲り受け尼崎の農家に栽培させたものと言われています。この大きな豆は「一寸(約3.3cm)そらまめ」「おたふく」などと呼ばれ、全国に広まっていきました。深い旨みのある味わいは、塩ゆで、かき揚げ、炒め物なと、いろいろな料理で楽しめます。
「奈良の台所」と呼ばれる大和高原で育つ「大和丸なす」。果肉に弾力があって、ほのかな甘みがあります。しかしその分アクが強く手間がかかるなすでもあります。手間をかけるほど、おいしさが引き出されるということから、玄人受けがよいと評判。一度使うと、次もまた使いたくなるという料理人も多いそうです。
うすいえんどうは主に和歌山県日高地方で栽培されるえんどう豆の仲間。明治時代にアメリカから入ってきた実えんどうが、大阪府羽曳野市(はびきのし)碓井(うすい)で、栽培されたことが名前の由来になっています。 次第に、そもそもの大阪から、より栽培に適していた和歌山県での栽培が盛んになっていきました。豆ご飯や卵とじ、かきあげなど、春を彩る食材としてよく使われます。