自然の恵みを原料に、おいしさや健康価値を活かした商品を提供するカゴメにとって、持続可能な地球環境の実現は解決すべき重要な社会課題です。とりわけ気候変動への対応は、優先度の高い課題として取り組んでいます。また、環境に配慮した商品の研究や開発にも注力しています。
カゴメは2020年1月に「カゴメ プラスチック方針」を掲げ、プラスチック問題による環境負荷の低減にむけて、さまざまな取り組みを推進しています。2020年4月より紙容器飲料のプラスチックキャップを植物由来素材に切り替えました。2022年3月に発売した「畑うまれのやさしいミルク」は、100%植物由来ストローを採用しています。2022年9月からは、「カゴメトマトジュース」のペットボトル容器を、環境に配慮した100%リサイクル素材を使用した新ボトル「スマートecoボトル」に切り替えました。今後も石油由来プラスチック使用量の削減など、環境にやさしい活動を進めていきます。
食品ロス削減や物流・倉庫・小売などの流通関係者の負担軽減のために、2020年10月より、賞味期間が360日以上の家庭用飲料商品(缶・ペットボトル)を対象として、賞味期限表示を「年月日」から「年月」に順次変更しています。カゴメは2030年までに、製品廃棄量を半減(2018年比)させることを目標としており、今後も賞味期限表示の見直しを進めるとともに、賞味期間の延長についても取り組んでいきます。
カゴメでは、環境に配慮した商品の研究や開発を行い、環境負荷の低い商品容器や梱包資材への切り替えにも注力しています。2014年より、FSCマークのついた紙パック飲料を導入し、現在では、200ml・330ml紙パック飲料のすべてに、FSCマークを表示しています。FSC®*は、責任ある森林管理を世界に普及させることを目的に設立された国際的な機関です。このFSCマークの入った製品を購入いただくことで、世界の森林保全を間接的に応援することができます。今後もFSC®認証紙パックの使用を拡大し、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。
* FSC®(Forest Stewardship Council® 森林管理協議会):木材を生産する森林とその森林から切り出された木材の流通や加工の課程を認証する制度を管理する国際的な機関
カゴメグループは、CO2排出量の削減に積極的に取り組んでいます。太陽光発電の導入は、2017年Kagome Inc.(米国)の工場を皮切りに、 国内外の工場での導入を進め、2021年には新たに国内3工場(小坂井工場・茨城工場・富士見工場)に太陽光発電パネルを設置しました。また、2022年1月より小坂井工場、2023年1月より富士見工場と上野工場において、各工場で購入する電力を再生可能エネルギー電源に由来する電力に切り替えました。さらに富士見工場では、野菜を搾汁する際に出る残渣等(植物性残渣)と、隣接する八ヶ岳みらい菜園の出荷できないトマトや葉・茎などから、バイオマスプラントを使ってバイオメタンガスを生成し、その蒸気を熱に変え、工場の加熱・殺菌工程での利用を開始しました。カゴメは、2050年までに当社グループでの温室効果ガス排出量の実質ゼロをめざして、2030年にむけた温室効果ガス排出量の削減目標を策定し、SBTイニシアチブの認証を取得しました。今後も持続可能な地球環境の実現に、積極的に取り組んでいきます。
気候変動をはじめ農地開発、農薬、外来種の持ち込みなど、人間の活動による影響で、地球上の生物は年間約4万種が絶滅するといわれています。カゴメは、野菜のテーマパーク「カゴメ野菜生活ファーム富士見」に隣接する畑で、生きものとの共生と持続可能な農場づくりを行い、一般公開しています。畑のまわりには、生きものの力を活かした仕掛けを設置し、クイズを出題するなど、来場者に理解を深めていただく工夫を施しています。
カゴメでは2018年に「カゴメグループ 水の方針」を制定し、水リスクの調査と対応、生産拠点の取水量削減、水の浄化と循環利用の推進など、水の保全活動にも取り組んでいます。2021年には、国際的影響力のある環境非営利団体CDPの水資源管理に関する企業調査『CDP ウォーターセキュリティ 2021』*において、初めて最高位のAリストに選定されました。これからもグループ全体が活動していく地域の水資源を守るため、それぞれの地域に合ったサステナブルな対応を進めます。
* 企業の水セキュリティに関する情報開示プログラム。企業に対して、水に関する「事業リスクや機会の特定・評価」、「方針・戦略の策定と実行」等についての情報開示を求め、評価を実施している