


中国や、欧米では「黄桃」が中心ですが、日本で栽培されているのは、ほとんどが「白桃」。
「白桃」は日本で品種改良され、日本人に愛されて様々な品種が生まれてきた桃なのです。
「川中島白桃」を発見した川中島の農家・池田さんの畑には、今もその原木が生きています。
「最初に父が市場に出したとき、美味しくて日持ちがいいと評判になった。
桃はすぐに柔らかくなるので、地域流通が主流だったからです。
なんという品種?と聞かれ、『池田1号』とでも呼んでくれ、と。無欲の父でしたね」と回想する池田さんご夫妻は11代目の後継者。
池田1号が生まれた当時10歳ぐらいだった裕子さんは、室(むろ)にこもって、黙々といろいろな桃の花粉をつけて試す父の姿を覚えているそうです。
「ここに自生する野生の桃を父は花桃と呼んでいましたが、それを台木にしたり、その花粉を人工授粉させてみたり、いろいろ工夫していたようです」。
先代の不断の努力が実を結んだ白桃は、土地の名を冠して「川中島白桃」と命名されたのでした。