


夏ミカンは「ナツダイダイ」が本来の名称でしたが、夏に出回るので「夏みかん」と呼び慣わされ、今では「夏ミカン」が正式な名前になっています。
昭和10年頃、大分県津久見市の畑でひときわ甘い実をつける<変異種>が発見され「甘夏」として全国に広まりました。
一時は温州ミカンに次ぐシェアを誇っていましたが、さまざまな柑橘類が輸入され始めたことでガクンと生産量が減少。
それでも初夏のフルーツとして清々しい酸味を愛する人々も多く、生産者も皮を薄く改良してむきやすくしたり、
糖度をあげるなどの工夫を重ねており、現在でも根強い人気があります。
広島県尾道市・多々羅大橋を望む段々畑で甘夏を育てている片山さん。
「あれやこれや、新しい品種が次々に出てくるけん、ミカンの名前、よう覚えん(笑)。
これ(甘夏)は昔から作っとるけん忘れんし(笑)、愛着があるな」。
以前ほど数多くは作らなくなったそうですが「都会に住む子どもたちや親戚に届けたい故郷の味」でもあるのだそうです。