ラブレ菌課程ラブレ菌課程

植物性乳酸菌大学 医学部植物性乳酸菌大学 医学部

日本人のお腹になじみのある植物性乳酸菌。
その植物性乳酸菌の一種「ラブレ菌」の機能や、
腸の中で活発に活躍するたくましい力など、
ラブレ菌の健康パワーについて勉強します。

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がん治療の研究と「ラブレ菌」の関係がん治療の研究と「ラブレ菌」の関係

ウイルスなどの感染から体を守る
「インターフェロン」。
その産生能力を高める物質の研究が、
ラブレ菌発見のきっかけです。

岸田綱太郎博士植物性乳酸菌の中でも、特にカゴメが注目しているのが「ラブレ菌」。これを発見した人は、ルイ・パストゥール医学研究センターの岸田綱太郎博士(1920~2006年)です。
ウイルスに感染したときに、その増殖を抑えるために人が作り出すタンパク質の一種「インターフェロン」。インターフェロンは、ウイルスなどの感染から体を守る働きをする重要な物質。がんや肝炎の治療薬として有名ですが、元来人間の体内で自己産生されるもので、細胞がウイルスに感染した時に生まれ、感染から体を守ってくれるものです。逆に、インターフェロンの産生ができなくなると、体はウイルスと戦う免疫力を失い、さまざまな病気にかかってしまうこともあるのです。
博士は、人工的に産生したインターフェロンを投与することによって、がん治療の成果を挙げていました。しかし、人体が自ら作り出す物質であるインターフェロンを体外から投与する場合、ヒトによって効果に差があり、副作用などの影響も深刻でした。そのため、インターフェロンを体外から薬として投与するよりも、元来人体に備わったインターフェロン産生能力を高めて病気を予防する研究へと、博士の考えは移っていきました。

岸田綱太郎博士
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京都の漬物から発見された「ラブレ菌」京都の漬物から発見された「ラブレ菌」

京都の人たちが好んで食べる「すぐき」から、
全く新しい乳酸菌の一種であるラブレ菌が
発見されました。

京都の冬を代表する漬物「すぐき」酢茎菜(すぐきな)というかぶの一種を漬け込んで作られる。博士はインターフェロンの産生能力を高める物質を健康に良いとされる食べ物に求め、さまざまな食品を研究しました。とりわけ、博士が注目したのが「乳酸菌」。長寿で有名なコーカサス地方ではヨーグルトや乳酸菌飲料が多く口にされている(注)という事実が、博士の乳酸菌への興味を大いに抱かせました。
あるとき、博士が目にしたのが「京都の男性は全国2位の長寿」という新聞記事。ご自身も京都生まれの博士は、この記事に興味を持ち、京都人が好んで食べる漬物を、まさしく“かたっぱし”から調べあげました。その結果、京都の漬物の中でもとりわけ酸味のある「すぐき」の中から全く新しい乳酸菌の一種を発見。それを「ラブレ菌」と名づけたのです。
(注)ロシアの生物学者、メチニコフは、ブルガリア地方に100歳を超える長寿の方が多いことから、ブルガリア地方で常食されていたヨーグルトに着目しました。彼は「老化は腸内環境により加速される」という説を唱え、ヨーグルトに含まれている乳酸菌「ブルガリア菌」の研究を始め、腸内腐敗防止の効果を実証しました。このように腸内環境が健康に大きな影響を及ぼすことが明らかとなり、現在でも腸内環境の改善と健康との研究が盛んに続けられています。

京都の冬を代表する漬物「すぐき」酢茎菜(すぐきな)というかぶの一種を漬け込んで作られる。
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「ラブレ菌」で免疫力がアップする!?「ラブレ菌」で免疫力がアップする!?

現在、ラブレ菌で注目されている働きが、
「免疫力アップ」の力です。

インターフェロンは、ウイルスなどの感染から体を守る働きをする重要な物質。がんや肝炎の治療薬として有名ですが、元来人間の体内で自己産生されるもので、細胞がウイルスに感染した時に生まれ、感染から体を守ってくれるものです。逆に、インターフェロンの産生ができなくなると、体はウイルスと戦う免疫力を失い、さまざまな病気にかかってしまうこともあるのです。
現在、ラブレ菌で注目されている働きが、「免疫力アップ」の力。ラブレ菌は、体内に摂取されることで、インターフェロンの一種であるインターフェロンαを生み出す力を強くします。また、インターフェロンαは感染症やがんから体を守ってくれるNK細胞(免疫細胞の一種)を活性化することも分かっています。

インターフェロンαの産性能の増加インターフェロンαの産性能の増加
がん・感染症予防の流れがん・感染症予防の流れ
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胃液も腸液もくぐり抜ける!「ラブレ菌」のたくましい力胃液も腸液もくぐり抜ける!「ラブレ菌」のたくましい力

ラブレ菌の腸内で生きぬく力の強さを、
動物性乳酸菌の代表格であるL.カゼイ菌を用いて
検証します。

乳酸菌は、生きたまま腸に届いたほうが免疫力アップの効果が高いと言われています。下の「腸で生きぬく力(腸内生残率)」の図をご覧いただくとわかるように、植物性乳酸菌、動物性乳酸菌それぞれに強弱さまざまな菌がいますが、概して、植物性乳酸菌は腸内で 生きぬく強さが違います。ラブレ菌は、これら植物性乳酸菌の中でも特に強い“優等生”なのです!

腸内生残率腸内生残率
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ラブレ菌のさらなる可能性ラブレ菌のさらなる可能性

カゴメイノベーション本部が独自で、
また大学等の他の研究機関と
共同で行った
研究の中で、ラブレ菌の興味深い研究結果を
ご紹介します。

発表 機能 研究方法 研究結果

2021年
4月28日

皮膚の角層水分量を上昇させること(肌の潤いを守るのを助けること)が期待

【消費者庁HP:機能性表示食品の届出情報検索、F1037など:
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/】

ラブレ菌に皮膚の角層水分量を上昇させる作用(肌の潤いを守るのを助ける作用)があるかを検証することを目的に、ヒトを対象とした研究論文を網羅的に調べ、システマティックレビュー※という方法で結果をまとめました。

健康な方を対象に、ラブレ菌の摂取が皮膚の角層水分量に与える影響を適切な方法で調べたヒト試験を選抜し、選抜された研究(2試験)の結果を総合的に評価しました。その結果、健康な方が毎日14億個のラブレ菌を4週間摂取することで、皮膚の角層水分量を上昇させる効果(肌の潤いを守るのを助ける効果)が期待できることがわかりました。

2014年
10月16日

インフルエンザ罹患率を低減することが期待

【論文:Waki N.ら、Letters in Applied Microbiology, 59, 565-571 (2014)】
【カゴメニュースリリース:https://www.kagome.co.jp/company/news/2014/002088.html】

調査は栃木県那須塩原市の小学生2,926名を対象に、約2カ月間行いました。参加児童が通う小学校を2つのグループに分け、一方の学校の児童には、ラブレ菌を含む飲料を1日1本、学校で毎日飲んでいただき、もう一方の学校の児童には飲まないでいただきました。

ラブレ菌を含む飲料を登校日に毎日飲んだ児童のインフルエンザ罹患率は、同じ期間にその飲料を全く飲まなかった児童に比べて明らかに低いことが確認できました。このことは、インフルエンザの流行期にラブレ菌を含む飲料を継続的に摂取することが、インフルエンザに罹かるリスクを下げるのに役立つ可能性が高いことを示しています。また、この効果は、ワクチンの予防接種をしていない児童において特にはっきりと観察されました。但し、ラブレ菌を含む飲料を飲めばワクチンの予防接種を行なわなくても良いということではありませんのでご注意ください。

※本発表はインフルエンザ予防ワクチンの接種を推奨しないものではございません。

2012年
9月19日

排便時の血圧上昇抑制が期待

【カゴメニュースリリース:https://www.kagome.co.jp/company/news/2012/001402.html】

便秘傾向であることを自覚している健常な成人20名に、まず2週間、日常生活を送っていただき、その後の2週間は、ラブレ菌を含むカプセルを毎日摂ってもらいました。そして、期間を通じて、排便の回数や便の性状、排便時の“いきみ”の強さなどをアンケートで調査するとともに、排便時の血圧を測定しました。

ラブレ菌を含むカプセルを摂取することにより、摂取していなかった期間と比較してお通じの状態が良くなるとともに、排便時の“いきみ”が弱くてすむようになり、さらに、排便時の血圧上昇が緩和されることがわかりました。

2012年
3月21日

更年期症状を緩和することが期待

【カゴメニュースリリース:https://www.kagome.co.jp/company/news/2012/001361.html】

便秘傾向であり、更年期症状の自覚がある45~55歳の女性13名に、ラブレ菌を含むカプセルを4週間、毎日摂取してもらいました。そして、カプセルの摂取前後で排便回数や排便日数を比較するとともに、更年期症状の変化をアンケートで調査しました。

ラブレ菌を含むカプセルを摂取することにより、摂取していなかった期間と比較してお通じの状態が良く(排便回数や排便量が多く)なりました。また、カプセルを摂取することで、更年期障害指数(更年期症状全体の重症度)、「腰や手足が冷える」、「肩こり、腰痛、手足の節々の痛みがある」という症状のアンケートスコアが改善されました。

2011年
6月9日

下剤使用量の低減や不安などの気分状態の改善が期待

【カゴメニュースリリース:https://www.kagome.co.jp/company/news/2011/000098.html】

日頃から下剤に頼っていることに不安を感じている慢性便秘患者44名に、ラブレ菌を含むカプセルを4週間、毎日摂取してもらいました。そして、カプセルの摂取前後で下剤の使用状況や排便状況、腹部不快感の強さや気分状態などをアンケートで調べました。また、摂取前後で腸内菌叢の違いも調査しました。

ラブレ菌を含むカプセルを摂取することにより、下剤の使用回数と使用量がいずれも少なくなりました。また、腸内菌叢も改善される可能性があることがわかりました。さらに、「日々の不安」などの気分状態の改善にも、ラブレ菌を含むカプセルの摂取が有効であるという結果が得られました。

2010年
8月3日

便通改善やニキビの改善が期待

【カゴメニュースリリース:https://www.kagome.co.jp/company/news/2010/000233.html】

便秘傾向であることを自覚しているニキビ患者20名を2群に分け、一方には通常の治療(塗り薬の処方等)のみを継続し、もう一方には通常の治療に加えてラブレ菌を含むカプセルを4週間、毎日摂取していただきました。そして、試験終了後の排便回数やニキビの減少について比較しました。

通常の治療に加えてラブレ菌を含むカプセルを摂取した群では、摂取しなかった群と比較してお通じが良くなる(排便回数が増える)ことがわかりました。また、カプセル摂取群の方がニキビの減少率が高く、ニキビの改善にも役立つ可能性があると考えられました。

※システマティックレビューとは、既存の研究論文を調査し、質の高い研究データであるかを評価、分析するとともに、科学的根拠に基づき複数の論文の結論(食品の機能性に関する情報など)をまとめる手法のことです。