トマトの赤い色素リコピンのうれしい2つの効果とは?

トマトの赤い色素成分であるリコピンは、長年の研究から健康維持に幅広く役立つことが分かっています。本記事では数多くあるリコピンの研究の中から、期待できる2つの効果①紫外線による肌の赤みや色素沈着の予防、②コレステロール対策に加え、リコピンの効率的な摂取時間やトマトの選び方を紹介していきます!

01トマトで紫外線対策?

紫外線を浴びると、皮膚のやけどによる肌の赤みや、色素が沈着することでできるシミなど肌トラブルが起こりやすくなるため、肌の弱い方は特に対策が必要です。トマトのリコピンは活性酸素を消去する力を持ち、紫外線による肌の赤みや、色素沈着などの皮膚ダメージを予防・軽減する効果が期待できることが分かっています。

活性酸素とは、高い酸化力を持つ酸素のことを指します。通常、活性酸素は体内に侵入した細菌などの異物を攻撃するなど、私たちの体の中で大切な役割を担っていますが、精神的なストレスや喫煙、飲酒、排気ガス、紫外線、電磁波、放射線といった極めて現代的な生活要因により、私たちの体の中の活性酸素は必要以上に増加しています。体内の消去機能だけでは処理しきれなくなった活性酸素が体の中の遺伝子やたんぱく質を攻撃してしまうことで、生活習慣病などの疾病原因になると考えられているのです。

この活性酸素を消去する力=抗酸化力が強い性質を持つのがリコピンです!
その作用はビタミンEの100倍以上にもなるという報告※1もあります。

このリコピンの持つ強い抗酸化力は、紫外線対策への効果も期待できます。
実際に海外の研究※2では、強力な抗酸化力を持ったリコピンを摂取することで、紫外線を浴びたあとに引き起こされる肌の赤みが抑制されることが報告されています。

またカゴメの研究の中でも、12週間にわたってリコピンを12mg以上含むトマトジュースを飲んだグループとリコピン2mg以下のトマトジュースの上澄み液を飲んだグループを比較したところ、前者の方が紫外線によって暗くなった肌の色調が明るくなることが分かっています。

02コレステロールが気になるならトマト!

生活の中でよく耳にするコレステロールは血管の健康と大きな関係がありますが、ここにもリコピンが役立つことが分かっています。

コレステロールは人間の体に存在する脂質のひとつで、細胞膜・ホルモン・胆汁酸を作る材料となっています。生活習慣病の因子として取り上げられているのは、たんぱく質などと結合しリポタンパク質として血液中にとけ込んでいるコレステロールです。
コレステロールは、善玉(HDL)コレステロールと悪玉(LDL)コレステロールの2つに大きく分けられます。悪玉コレステロールは増えすぎると血管の中に溜まり、心筋梗塞などの疾病原因になるともいわれています。一方で、善玉コレステロールは、溜まった悪玉コレステロールを回収する働きがあるため、毎日の健康を維持するためには、善玉コレステロールを増やすことが重要です。

そこで、血中コレステロール対策に繋がるリコピンの研究結果を紹介します。

トマトジュースによる血中悪玉(LDL)コレステロールの酸化抑制作用

健康な人を集めたグループにリコピンが多く含まれるトマトジュースを継続的に飲んでもらったところ、飲用前と比較して血液中の酸化された脂質量が減少しました。
このことから、トマトジュースを飲むと、動脈硬化の諸原因にもなる悪玉コレステロールが酸化されにくくなることが分かりました。

リコピンの血中善玉(HDL)濃度への影響

カゴメがリコピンに関する世界中の論文を調査し、それらの結果を検証したところ、リコピンには血中の善玉コレステロールの濃度を上昇させる機能があることを確認しました。具体的には、1日15mg以上のリコピンを8週間以上摂取すると、血中の善玉コレステロール濃度を上昇させる効果が期待できます。

このような研究結果から、リコピンはコレステロール対策効果が期待できると考えられるのです。

03リコピンを摂取するなら朝?昼?夜?

時間帯によって摂取効率の違いなどはあるのでしょうか?2016年にカゴメが実施した研究を紹介します。
健康な人を集めたグループに朝・昼・夜の各時間帯でトマトジュース160g(リコピン16mg)を飲んでもらい、血中のリコピン濃度を測定しました。

摂取後の血中のリコピン濃度の変化量(積算)

各時間帯で比較を行ったところ、トマトジュースを朝に摂取した場合にリコピンが最も体内に吸収されることが明らかになりました。

リコピンを効率よく吸収するには朝が適していると考えられます。ぜひ、朝食にトマトジュースを飲んでみてはいかがでしょうか!

04トマトを買う前に!リコピンが豊富なトマト選び

これまで、トマトに多く含まれるリコピンには様々な効果があることを紹介してきました。

では、トマトの中でもリコピンがより多く含まれているのはどのようなトマトなのでしょうか?

答えは簡単です。トマトの赤い色素はリコピンなので、赤ければ赤いほどリコピンが多く含まれているトマトということになります。そのため、紫外線やコレステロールが気になる方には、真っ赤なトマトを選ぶことをおすすめします。

様々なチカラを持つリコピンを積極的かつ効率的に摂取して、日々の生活をよりあざやかにしていきましょう!