身近にある興味を持ったもの、納得できるものを自分の言葉で伝えたいと思い、メーカーでの営業職をめざしました。食品や化粧品メーカーに絞って就活をしていましたが、最終的にカゴメに決めた理由は、うちの商品は例えばトマトではナンバーワン、そしてどんなにたくさん食べても飲んでも体にいいものだからです。家族や友人など大切な人たちにも、自信を持って勧められるから、カゴメなら自分らしい営業ができると思いました。また、採用段階で仲良くなった同期の存在も決め手のひとつでした。
最初の配属先は神奈川支店で、私が初めての女性営業職でした。担当したのは量販店営業で、当時は提案したことが、全く受け入れられず空回りばかり。先輩方から「もっとお店に行ってみたらどうか」とアドバイスをもらい、店頭で直接声をかけたり、試食や試飲販売をしたり、お客様の声をできるだけ集めて、バイヤーにフィードバックすることを始めました。各スーパーにとってお客様の声は欠かせないものなので、少しずつ提案する企画が採用されるようになりました。仮説をもって自分の想いといっしょに提案する大切さを社内外から教えてもらいました。
営業をしていると「こんな商品があったらいいな」と思ったり、お客様からも「こういう商品を作ってよ」という声を聞いたりすることが増え、商品企画部へ行きたいと思い始めました。実際に商品企画部へ異動が叶い、食品グループでセット米飯や新規カテゴリー商品を担当しましたが、ここでは日々苦悩の連続。自分がこんなものを作りたいと思っても、自分の気持ちだけでは具現化できない苦しさを体感しました。ひとつの商品が発売されるまでに、たくさんの人の考えや思い入れがあり、いろいろな工程を経ていることがわかり、後に営業で復帰する際に、商品価値をきちんと伝えることを意識するようになりました。ちなみに当時商品化された「タコライス用ソース」は今でも販売されています!
商品企画部でのほろ苦い2年間の経験を経て、東京支社での営業に異動が決まったタイミングで妊娠が判明。スタッフ業務となり、半年後の10月に産休に入りました。
育休明けの復職は基本的にスタッフ業務という暗黙のルールがありました。ところが復職前の面談で当時の上司から、時短勤務だと通勤時間がもったいないから、自宅に近い神奈川支店で営業に戻るのはどうかと打診されました。本格的な営業での復職は社内でほぼ初めてだったと思います。最初は不安しかありませんでしたが、「ひとりじゃない。職場全員でフォローするから」と上司に言われ、心強かったことを覚えています。実際に自分で時間のやりくりができることが多く、営業と育児の両立が十分可能であることがわかりました。私の立場を得意先も理解してくれて、商談の際には、自分自身が母親であること=お客様に近い立場であることを強みに、刺さる提案営業ができるようになりました。
長男が3歳になり、2人目の妊娠が判明。2017年4月まで、1年半の産育休を取得しました。
第二子出産後も神奈川支店に復職しました。担当先はかなり変わりましたが、慣れていることもあり、特に仕事での心配はありませんでした。いざ職場に戻ってみると上司からすぐに、ちょうど産休に入る後輩やこれから育休を取得しようとしている男性社員にも参考になるだろうから「育児は営業の役に立つ」というテーマで勉強会をやってほしいと頼まれました。自分がどうやって効率的に仕事をしているのかなど体験談として伝えましたが、今のように制度が整う前でしたので、働き方改革のひとつとして、少しでも社内に影響を与えられたかなと思っています。2020年10月には営業のマネージャーに昇格。チームには新入社員からベテランの先輩まで、年齢や性別、経験値などが異なるメンバーがそろっています。多様な価値観をもつ個々の能力を最大限に活かし、成果を上げることに日々奮闘しています。
全国各地の支店で営業のマネージャーを続けていると思います。10年後は子どもたちも成長しているので、もしかしたら単身赴任かもしれません。どのエリアでも女性スタッフが活き活きと楽しく営業ができる環境を作っていきたいです。
※この情報は2021年12月時点のものです。