消費者課題 製品品質の確保消費者課題 製品品質の確保

製品品質の確保

安心・安全な製品をつくる理念と体制

カゴメは創業以来、自然の恵みを活かし、体にやさしく、楽しい食の提案に努めてきました。この考えは、お客さまとのお約束であるブランド・ステートメントの「自然を、おいしく、楽しく。KAGOME」という言葉に集約されています。
このお約束を果たすためには、お客さまに安心してご利用いただける商品づくりが最も重要であると考えています。そこでカゴメでは、「品質方針」に基づき、原料調達、研究・開発、生産・物流の各工程で品質マネジメントシステム(QMS)を回し、商品の安全性確保に努めています。

安心・安全への取り組み

●品質方針
  • 1.トマトや野菜、果実、乳酸菌のおいしさと健康価値を追求した商品づくりに努めます。
  • 2.種子から取り組み、完熟・採れたての安全な農産原料づくりを目指します。
  • 3.HACCPとISO9001品質システムを継続的にレベルアップし、安全でムダのない商品づくりに努めます。
  • 4.商品と共に品質情報をお伝えし、お客さまや社会の声を企業活動へ反映してまいります。
●カゴメQMSサイクル
カゴメQMSサイクル

よい畑からの原料調達

「よい原料」はよい畑から。カゴメの商品づくりは畑から始まっており、「畑は第一の工場」と考えて品質管理を行っています。
カゴメでは、国内でのトマトの契約栽培で創業以来培ってきた原料作物への思いと経験を、海外からの原料調達にも活かしています。

原料調達の基本

カゴメの原料調達の基本は契約栽培です。食品メーカーが安全な原料を得るためには、農家の方々のご協力が欠かせません。カゴメがそのために、100年にわたって培ってきた調達方式が、「契約栽培」です。国産のトマト、にんじん、プチヴェールなどでは、大部分が契約栽培になっています。
面積契約栽培では、(1)あらかじめ、作物の品種や栽培面積、出荷規格などを決めて栽培を依頼し、(2)栽培中は、カゴメの担当者が畑一枚まで自分の目で確認して、農薬使用などその畑に適した栽培方法を指導し、(3)収穫された分は、全量、カゴメが買い取る-という調達方式をとっています。契約栽培によって、カゴメは、どのように栽培されたか、その履歴が明確で、安全な原料を得ることができます。
こうした指導を通じて、農家とのコミュニケーションも深まり、そこから生まれる信頼関係が安心に結びつきます。年に何度かは、役員も農家との交流の場を持ち、関係を深めています。

農家との交流を深める寺田社長
農家との交流を深める寺田社長

海外からの農産加工原料の調達について

海外の農産加工メーカー(サプライヤー)から調達する農産加工原料については、基本的に調達先現地を訪問し、栽培から製造工程までの品質管理状況の確認を行います。
とりわけトマトについては、毎年の製造シーズン前にサプライヤーとのミーティングを行っています。収穫した農作物を加工する製造工程だけでなく、委託農家での農薬散布回数や最適な施肥などの栽培方法まで、原料の品質の向上を図るため、畑から工場までのプロセス全体の課題についてサプライヤーとともに検討します。また、シーズン終了後には今季のレビューから来年度への課題を抽出し、お互いに継続して成長できるような目標の設定を行います。

カゴメグループの原料の主な調達先(2017年5月現在)
カゴメグループの原料の主な調達先

畑から製品までの安全管理

フードディフェンスへの取り組み

国内での「意図的な異物混入」に対する備えとして、フードディフェンスに関する独自の管理ガイドを定め、その運用を徹底しています。具体的には、自社工場における安心安全カメラの設置や施錠システムの刷新、工場従業員同士のコミュニケーションの活性化のほか、協力工場に対しても当社の管理ガイドに準じた体制づくりへの協力を求め、一丸となって取り組んでいます。

畑から製品までの安全管理

カゴメは創業以来、自然の恵みを活かし、お客さまの健康に役立つ商品を提供することに全社を挙げて取り組んでいます。そのためには、安心・安全の確保は食品を取り扱う上での大前提です。カゴメでは、そのために、畑から製品までのプロセスにおいてさまざまな検査や分析・研究を行っています。

放射性物質に対する取り組み

2011年の福島第一原子力発電所事故の発生直後から、工場使用水は公的分析機関で、また国内で調達・製造する原料・製品はカゴメで、それぞれ放射性物質の検査を行い定期的にこれらの安全性を確認しています。
特にトマトについては、産地や収穫時期の情報、行政モニタリング情報などを確認しながら、苗を定植する畑の土壌、栽培途中の未熟果、収穫直前の完熟果、容器充填前の原料ジュースなどの複数の段階で、検査を行っています。

プロセス管理による安全性の確認(国内トマト契約栽培の例)

残留農薬に対する取り組み

毎年、使用する原料を対象に残留農薬を分析し、安全性を確認しています。2006年5月に施行された「残留農薬などのポジティブリスト制度※」では対象農薬が大幅に増え、残留基準の値も一層厳しくなりました。分析部門では、多成分を一斉に効率よく分析できる技術の開発を進めるとともに、試験・分析機関としての実力を判定する国際規格ISO17025の認定を取得し、分析精度の更なる向上に取り組んでいます。
また、同部門では、残留農薬以外にもカビ毒や食中毒菌などの分析・検査を行える体制を備えており、国内外から購入した原料の安全性の保証に活用しています。
※残留農薬などのポジティブリスト制度:基準が設定されていない農薬などが一定量以上含まれる食品の流通を原則禁止する制度

残留農薬分析(1)
残留農薬分析(1)
残留農薬分析(2)
残留農薬分析(2)

研究部門の取り組み

カゴメの研究部門は、2015年10月より、更なるイノベーションの創出とそのスピードアップを可能にするため、開発部門と分かれ、「イノベーション本部」となりました。研究テーマと経営テーマとの連動や活性化を図るための研究戦略部門を中心として、社内外を巻き込んだオープン型の研究も積極的に推進し、独創的でイノベーティブな新製品開発や、事業に繋がる研究を実施しております。具体的には、トマトの遺伝資源を活用した品種・栽培技術、酵素や乳酸菌技術等を利用した素材・加工技術、機能性エビデンスに関する研究を行っています。また、食品の安全性を担保する品質保証技術の高度化に取り組んでいます。

エビデンスを基軸にした健康に寄与する価値機能の研究

自然健康研究分野において、緑黄色野菜および植物性乳酸菌を主とした機能性研究を推進し、健康情報の発信や機能性表示食品の届出を行っています。
近年は、自社研究に留まらず、外部との連携による新たな価値を創造する研究への取り組みも行っておいます。京都大学大学院との「トマト・ディスカバリーズ講座」では、ビッグデータ解析手法を用いた「トマトの成分解析」や「抗炎症成分の探索」を進めてきました。
さらに、トマトジュースのHDLコレステロール上昇作用への検証結果に基づく届出により、トマトジュースを機能性表示食品として展開するに至りました。
今後も健康へのエビデンスを基軸に、健康に寄与できる基盤研究を積極的に進めていきます。

カゴメトマトジュース

遺伝資源の収集と交配法による有用品種の開発

カゴメでは約7,500種ものトマトの遺伝資源を保管・データベース化しています。農資源開発分野では、この遺伝資源を最大限に活用し、遺伝子組換え技術は用いずに、従来型の交配育種によって「よい原料」となる品種の開発に取り組んでいます。
この方法では実用的な品種を開発するのに長い年月を要することもありますが、カゴメでは、おいしくかつお客さまに安心していただける商品を提供するため、トマトの持つ無限の可能性を引き出す、地道で着実な研究活動を進めています。
また、開発した品種が保有する能力を最大限に発揮させるための栽培適地の選定や、省力化が可能な栽培技術の確立に取り組むとともに、安心・安全な原料を得るための使用可能農薬の選定、および必要最小限の農薬使用量で病害虫の発生を抑える栽培技術の確立を進めています。
農資源開発分野では、病害抵抗性を有する生鮮トマト品種など計10件の品種登録出願を行いました。また、成長している生鮮事業に対して品種改良を行い、生鮮トマトの価値向上に繋がっています。さらに、長期経営ビジョンの達成に向け、野菜の分野においても研究を拡充しています。

素材の価値を最大限に活かす加工技術の高度化

原料素材の価値を残す非加熱技術には、トマト本来の真っ赤な色やうまみ成分を損なわないよう、余分な熱をかけずに高品質に濃縮することができる「トマトジュース」の「RO(逆浸透膜)濃縮技術」や、人参の自然な甘みとカロテンを損なわずに搾り、さらにクセやくさみを抑えることができる「キャロットジュース」の「フレッシュスクイーズ製法」と「ベジタブル・リファイニング製法」があります。
一方で、原料素材の潜在的な価値を引き出す成分変換技術には、野菜・果実が本来持っている香味を残しつつ、酵素・微生物などの力を活かして新たな風味を引き出す発酵技術と、その風味を一体化させる熟成技術を組み合わせた「ソース」の「醸熟製法」があります。
近年は、今までにない新しい価値を創るため、自社開発技術のみならず、他社技術との連携を積極的に取り組んでいます。
このように、原料素材のおいしさと栄養を活かす技術開発を通して、自然の恵みを活かした体にやさしいおいしさを実現しています。

食品安全のための品質保証技術の高度化

カゴメグループの事業を支えるため、「畑から一貫して安全を保証する基盤技術」を強化してきました。また、成長分野である生鮮野菜、生鮮飲料については微生物管理技術の高度化に取り組んでいます。

生産・物流の基準・ルールと行動指針

カゴメでは、2003年に設計開発~調達・生産・物流・販売にわたり、ISO9001の認証を取得し、全社を挙げて品質マネジメントの向上に努めています。また、商品の製造にあたっては、HACCP※の手法に基づき、以下の品質管理活動を全工場で実施しています。

  • ●食品の品質を分析して「科学的な根拠で殺菌条件」を設定
  • ●原材料の危害は「新規原材料評価シート」で評価
  • ●製造工程の管理と検査基準を「製造管理基準」で制定
  • ●防虫、作業員の衛生(手洗い、消毒など)、衛生区画を「衛生管理基準」で制定
  • ●製造工程ごとの管理や検査の手順を「QC工程表」で明確にして記録

さらに、「提供する商品の品質は生産の現場がつくる」という考えの下、生産に従事する従業員に、日々品質を第一に考えた行動の徹底を促すため、2005年に生産現場での「行動指針」を定めました。2008年度からは、この行動指針を目指す活動そのものが現場の成果となる、品質プロセスを評価する新しいマネジメントを始めており、品質第一のさらなる徹底を図っています。
※HACCP:食品材料の入荷から製造・出荷に至る生産工程に対して、予想される微生物的・化学的・物理的危害を分析し、その結果に基づき危害防止のための重要管理点を設定して集中的に管理する衛生管理手法

生産現場での「行動指針」
生産現場での「行動指針」