彩り野菜でストレス軽減?
心も健康でいるために摂るべき成分とは?

近年では、野菜の持つ様々な成分がストレス軽減やうつ病予防に繋がるといわれています。本記事では世界の研究結果とともに、野菜摂取とストレス解消の関係やうつ病の防止に繋がるメカニズム、摂るべき野菜などを解説していきます。

01野菜を食べるとストレスを感じることが少なくなる!?

ストレスとは、外部からの刺激を受けた時に生じる緊張状態のことを指します。外部からの刺激には天候などの環境的な要因から、病気・寝不足などの身体的要因、日々の心配事など心理的な要因までがあり、ストレスはこれら日常で起こる様々な変化が原因となるのです。
2019年の厚生労働省の調査※1では、2人に1人が日頃からストレスを感じると回答しており、現代社会においてはストレスと上手く付き合いながら生活することが求められているといえるでしょう。

ここでは、そんなストレスと野菜の摂取の関係について世界の研究を紹介します。
まずオーストラリアの研究※2によると、野菜や果物の摂取量が多い人は、他の生活要因とは無関係に心配や緊張、喜びの欠如といったことを感じる可能性が大幅に低くなることが判明しました。

また同じくオーストラリアのシドニー大学の研究※3では、一定量の野菜を毎日食べている人は、ほとんど野菜を食べていない人に比べて、心理的なストレスのリスクが12%低いという結果が出ています。研究の中では特に女性の傾向が顕著で、野菜を毎日食べている人はほとんど食べない人に比べて、ストレスリスクが18%も低いことが分かっています。

これらの研究結果から、野菜を毎日十分に摂ることにより、精神的ストレスが低下する傾向があると考えられています。

02野菜に含まれる〇〇が心理的ストレスを軽減!

では具体的に、野菜のどんな成分がストレス軽減に繋がるのでしょうか。
例えば、トマトに多く含まれるGABAは、事務的作業による一時的で心理的なストレスを低減する効果があることが分かっています。作業続きでストレスを感じた時は、GABAを含むトマトジュースを飲むことで気分が和らぐかもしれません。

GABAの効果

03抗酸化物質が豊富に含まれる野菜はうつ病予防にも

うつ病は心の病の中でも負担が大きく、患った際に失われる健康的な生活の年数が、循環器の疾患と同程度といわれています。心の病のため、野菜とはあまり関係がないように感じるかもしれませんが、近年では野菜や果物を多く摂っていると、うつ病予防になるといった研究結果が多数報告されているのです。

うつ病のリスクを低下させるメカニズムとしては、野菜や果物に豊富に含まれる抗酸化物質が影響していると考えられています。※4

抗酸化物質とは、活性酸素の発生やその働きを抑制したり、活性酸素そのものを取り除いたりする物質のことです。※5この活性酸素を抑えることで、うつ病予防に繋がると考えられています。

では、特にどんな食べ物が効果的なのでしょうか?

04カロテノイドを多く含む食品でストレス解消!

抗酸化物質には、体内で合成される体内合成抗酸化物質のほかに、ポリフェノールやカロテノイドがあります。※5
よく耳にするポリフェノールには、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニン、大豆のイソフラボン、緑茶のカテキンなどがあります。またカロテノイドには、緑黄色野菜や果物など多くの食品に含まれるβ-カロテンやリコピン、えびやかになど甲殻類や、さけ・ますなど魚類が持つアスタキサンチンなどがあげられます。

まだまだストレスと野菜の関係は研究が必要な分野ですが、ストレスを少しでも和らげてくれる可能性がある彩り野菜を日々の生活に取り入れ、体も心も健康なあざやか生活を心がけてみてはいかがでしょうか?