美肌を目指す食生活とは?肌の土台づくりに役立つ栄養素・食べ物の例
「スキンケアのほかにも、肌のためにできることはないかな?」そんなとき、意識したいことのひとつが毎日の食事です。肌の健やかさには、運動や睡眠などさまざまな要素が関わるとされますが、なかでも食事は暮らしに取り入れやすいアプローチのひとつです。
近年の栄養学の研究では、食事のとり方や特定の栄養素が肌のコンディションに関連する可能性も示されています。
本記事では、「未来に向けて健やかな肌の維持に取り組むこと=美肌の土台づくり」ととらえ、その土台づくりに役立つ栄養素と食べ物の例をご紹介。日々の食事に取り入れやすいヒントをお届けします。
01身近な野菜にも!美肌をサポートする栄養素と食べ物の例
うるおい、ハリ、血色感──いわゆる「美肌」と感じられるような健やかな肌を維持する要素のひとつには、毎日の食事も含まれます。
健やかな肌づくりに関わる栄養素というと「ビタミンC」をイメージする方が多いかもしれません。ビタミンCは抗酸化成分として知られていますが、それだけで体内の酸化ストレスすべてに対応できるわけではなく、他のビタミンや栄養素と組み合わせてとることが大切とされています。
ここからは、健やかな肌の土台づくりに関わる栄養素を、注目したい4つのカテゴリに分けてご紹介します。リコピン、ビタミンA・C・E、食物繊維などを、食べ物の例とともにみていきましょう。
なお、本記事は一般的な栄養学の知見に基づく情報であり、特定の食品の効果を示すものではありません。
リコピン|紫外線を浴びた肌の状態に関わる
リコピンはカロテノイドの一種で、トマトなどに含まれる赤色の色素成分です。活性酸素を消去する抗酸化作用が報告されています。
カゴメのヒト試験では、リコピンを含むトマトジュースを継続的に飲んでもらったところ、強い紫外線を浴びた後の肌の赤みを抑えるとともに、肌が暗くなるのを抑える可能性が示されました※1。
a*値は、赤みの程度を数値で示す指標で、高いほど赤みが強いことを意味する
L*値は、明るさ、明度を示す指標で、値が低いほど肌が暗く見えることを意味する
日々の食事に取り入れるインナーケアとして、注目される結果です。
トマト、ミニトマト など
リコピンには、抗酸化作用以外にもさまざまな働きがあるとされています。
詳しくは:トマトの赤い色素リコピンのうれしい2つの効果とは?
ビタミンACE|紫外線などによる酸化ストレスにアプローチする
ビタミンA・C・Eは、いずれも抗酸化機能を持つビタミンの代表で、紫外線などによる酸化ストレスにアプローチする栄養素です。ただし、脂溶性・水溶性という性質の違いによって、体内で働く「場所」や、体内へのとどまりやすさが異なります。1つの成分にかたよらず、組み合わせてとるのがおすすめです。
| 栄養素 | ビタミンA* | ビタミンC | ビタミンE |
|---|---|---|---|
| 性質 | 脂溶性 | 水溶性 | 脂溶性 |
| 特徴 | ・β-カロテンなどの形で肌にも蓄積されやすい ・加熱に強い | ・摂取量が増えると吸収されにくくなり、余った分は尿として排泄される ・加熱に弱い | ・脂肪組織に蓄えられやすい |
| 主な働き | 皮膚の健康維持に関わる | ・コラーゲン作りをサポート ・酸化したビタミンEを還元(再生)する働きも | ・細胞膜の酸化に関わる ・酸化ストレスから細胞を守る働きが知られる |
| とり方の ポイント | 油と一緒にとると吸収されやすい | こまめにとる | 油と一緒にとると吸収されやすい |
* 代表食材からはβ-カロテンとして摂取し、体内で必要な量だけビタミンAに変換されます
* ビタミンAは、過剰に摂取すると過剰症を生じる可能性があります。一方、β-カロテンは体内で必要な量だけビタミンAに変換されるため、過剰症の心配は少ないとされています
ビタミンA・C・Eいずれも体内ではつくれないため、食事から意識して取り入れたい成分です。このうち、β-カロテンは、にんじんやかぼちゃなどに豊富に含まれる成分です。体内で必要な量だけビタミンAに変換されて皮膚の健康維持に関わるほか、β-カロテンそのものも抗酸化成分として働くことが知られています。
その抗酸化作用のなかでもβ-カロテンは、活性酸素の一種である一重項酸素を消去するのが得意とされています。この一重項酸素は、紫外線を浴びた肌で発生することが知られています。また、摂取されたβ-カロテンは肌にも蓄積されることが報告されています。
さらにβ-カロテンは、肌の奥に潜むメラニン=「隠れジミ」(シミ予備軍)との関連が注目されています。カゴメのヒト試験でも、β‐カロテンが豊富なにんじんベースの野菜・果実ミックスジュースの継続摂取と、肌の奥の隠れジミスコアの変化が報告されています。※2
詳しくは:彩り野菜に含まれるβ-カロテンが「隠れジミ」に効く?(あざやか生活研究所)
- ビタミンA…にんじん、かぼちゃ、ほうれん草
- ビタミンC…赤パプリカ、ブロッコリー
- ビタミンE…アーモンド、アボカド
食物繊維|腸内環境の整え役
食物繊維の多い食品をとることは便通の状態と関連し、肌の状態全体にも影響している可能性があると報告されています。
野菜やきのこ、海藻に豊富な食物繊維は、腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがあります。
しそ、パセリ、モロヘイヤ、まいたけ、椎茸、しめじ
その他|タンパク質・鉄分・亜鉛・オメガ3で土台と機能をサポート
他にも、肌の構造や機能をサポートする栄養素は複数あります。ここでは、その一部をご紹介します。
| 栄養素 | 肌に関する働き | 栄養素を含む食材例 |
|---|---|---|
| タンパク質 | 肌の主成分・コラーゲンの材料となる | 卵、鶏むね肉、鮭など |
| 鉄分 | コラーゲン合成 | 豚肉、あさり、ほうれん草など |
| 亜鉛 | 肌の新陳代謝に関わる | 牡蠣、牛赤身肉、カシューナッツなど |
| オメガ3脂肪酸 | 肌のバリア機能の維持に関わるとされる | サバ、イワシなど |
たとえば、タンパク質を材料とするコラーゲンは皮膚の質量の90%以上を占めるとされ、加齢とともに合成量は年間1〜1.5%ずつ減少していくとも報告されています※3。十分なタンパク質を日々の食事からとることは、肌の構造を維持するためのベースになります。
02健やかな肌の土台をつくる食習慣のポイント
健やかな肌の土台づくりには、上でご紹介したような栄養素をバランス良く「とる」ことと、肌に負担をかけがちな食習慣を「整える」ことを一緒に進めるのがポイントです。
ここでは、日ごろ意識したい食生活のヒントと、忙しい日に取り入れやすいサポート方法をご紹介します。
基本は「バランスの良い食事」を意識する
健やかな肌づくりに関わる栄養素は、ひとつの食品で完璧に満たせるものではありません。複数の栄養素が互いに関わりながら肌のコンディションに影響していると考えられており、特定の成分にかたよらず、バランスよくとることが大切です。
主食・主菜・副菜のバランスで必要な栄養素を日々確保することが、肌の土台づくりの基本になります。
また、脂質の摂りすぎは皮脂分泌や腸内環境を介して肌に影響することがあるため、揚げ物や、油を多く含む加工食品・ジャンクフードが続くようなときは頻度を見直すこともひとつの工夫です。
その他にも、カフェインやアルコールの過剰摂取は、利尿作用により体内の水分バランスを乱しやすく、肌の乾燥につながる可能性が指摘されています。
忙しい日のサポートには「一杯のジュース」で補う方法も!
健やかな肌づくりに関わる栄養素は、食事からとるのが基本です。ただし、忙しい日や食事が偏りがちなときには、飲み物で補うのもひとつの選択肢です。
また、β-カロテンやリコピンは「脂溶性」の栄養素なので、油と一緒にとると吸収率が高まります。トマトにオリーブオイルを数滴足したり、にんじんを油を使った料理と一緒にとったりするのがおすすめです。
03食事と一緒に取り入れたい!美肌を目指すための「生活習慣」
毎日の食事は美肌づくりの土台ですが、ここでは食事の他にも心がけたい生活習慣をご紹介します。
適度な運動
食事でとった栄養素は、血流によって全身へ運ばれます。
適度な運動は血流を促すとされ、皮膚への血液循環にも関わることが知られています。研究でも、定期的な運動が加齢に伴う肌の変化を和らげる可能性が示されています※4。
ハードなトレーニングでなくても大丈夫です。ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなど、息が少し弾むくらいの運動など、自分に合った無理のない範囲で習慣にしてみましょう。
エレベーターを階段に変える、ひと駅分歩いてみる、といった小さな工夫から積み重ねていくのもひとつです。
質の高い睡眠
慢性的な睡眠の質の低下は、肌老化サインの増加やバリア機能の低下と関連することが報告されており、睡眠を制限した状態では肌バリアの回復が遅れることもわかっています※5。
日々のスキンケアに加え、十分な睡眠の確保も健やかな肌へのアプローチとして大切と考えられます。
04【まとめ】美肌は一日にしてならず。毎日の食事から健やかな肌づくりを
健やかな肌の土台づくりには、特定の食品やひとつの栄養素にかたよらず、複数の栄養素をバランスよく取り入れることがポイントです。リコピン、ビタミンA・C・Eといった抗酸化に関わる栄養素や、食物繊維、タンパク質など、複数の栄養素が肌の土台づくりに関わっています。
主食・主菜・副菜のそろった食事を基本に、忙しい日は飲み物で補うのも一案です。また、食事に加えて、適度な運動や質の高い睡眠といった生活習慣も、健やかな肌を目指すために大切です。
毎日の食事と暮らしを少しずつ整えながら、健やかな肌の土台づくりを目指していきましょう。
最終更新:2026.08.20
