





カゴメは、安心安全でおいしい生鮮トマトを1年中お届けするために、温室でトマトを栽培しています。天井までの高さが5~6メートルにもなるオランダ式のガラス温室は、採光性や換気にすぐれ、長期間の栽培が可能です。ちなみに1年間栽培すると、樹の長さはなんと15~20メートルまで成長。1本の樹から収穫できるトマトは、ラウンドレッド®の場合、150~200個ほどになります。


トマトの花は、風が吹いて揺れるだけで受粉する風媒花(ふうばいか)ですが、大型の温室は受粉の助けとなる風が吹かないため、トマトの受粉にはハチの力を借りています。2004年5月からは、生態系を脅かす可能性のある外来種『セイヨウオオマルハナバチ』から、在来種の『クロマルハナバチ』に切り替えることに成功しました。いわき小名浜菜園では、一番多い時期で10ヘクタールあたり、約3万匹のハチが活躍しています。


最小限の水で生産できるトマト栽培システムの開発にとどまらず、ハウスの屋根に降った雨水を収集・貯水し、潅水に利用しています。水資源の有効利用のために、資源循環型農業を実践しています。


トマト栽培で発生するトマトの葉や茎などを廃棄せずに、自社処理施設にて堆肥にしています。響灘菜園では、毎年発生するトマトの葉に、コーヒーカスを混ぜて堆肥化を促進することで、トマトの葉などの廃棄量を年間2,500トンから250トンまで削減することに成功しています。




大型菜園では、養分を含んだ水で育てる「養液栽培」を採用しています。トマトの状態に合わせて必要成分を調整し、年間を通して品質のバラつきを少なくするために、天候により給液量などをコンピューターで管理しています。温室内外の温湿度・日射量・風向・風速をモニタリングし、天窓換気、温湯暖房、遮光カーテン、細霧によってトマトに適した環境になるようにコントロールしています。


栽培に適切な温度を保つための暖房に使う熱源には、環境にやさしいLPガスを使用。さらに、燃焼時に発生するCO2を回収して、トマトの生育に必要な光合成に有効利用しています。また2020年からは、八ヶ岳みらい菜園に隣接する富士見工場が排出するCO2をトマトの光合成に利用し、さらに響灘菜園では近隣の陸上風力や大規模太陽光発電所より一部電力を受電するなど自然エネルギーを積極的に活用しています。


トマトを栽培するうえで、必要最低限の農薬は使用しますが、生態系を崩さないためのカゴメのこだわりがあります。化学化合農薬の使用を抑えるために、外部からの虫の侵入防止や、虫の発生状況を毎日モニタリングして早期対応しています。さらに害虫の天敵を導入したり、微生物防除剤や電解水を利用したり、生きものと共生する農業をめざしています。




八ヶ岳みらい菜園は、長野県諏訪郡富士見町にある「カゴメ野菜生活ファーム富士見」内の農地で、気候風土を利用した新しい農業モデルを確立するために、2015年10月に設立しました。ここでは日本で初めてのプラスチックフィルムで覆われたセミクローズド式の周年型大型温室を採用しています。また、隣接するカゴメ富士見工場の排温水や排ガスを有効活用する資源・エネルギー循環型の菜園でもあります。






仕様:セミクローズド(半閉鎖)型のフィルム張りで、ハウス室内へ温度、湿度、CO2濃度など最適条件の空気を送風し、ハウス内部を外気圧より高くして外気の影響と害虫侵入を抑える最先端のトマト温室です。


全国の大型菜園には、トマト栽培のプロであり責任者の「Grower(グロワー)」が在籍しています。生育状況や菜園内の温度・湿度・二酸化炭素量などをコンピューターで管理し、リアルタイムで養液の成分調整をコントロールしています。栽培条件の最適化を維持できるのは、Growerがいるからこそなのです。




植物の生育に休日はありません。調整が少しでも遅れると植物体や収量への影響が大きく、毎日のルーティンがとても大切なのです。
- 朝
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前日の環境・潅水データ
確認と記録温度、湿度、給液量などの確認。想定していたターゲットとの乖離があれば、コンピューター上の環境・潅水等の管理設定を調整します。
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植物体の観察
毎朝1回+α、1品種につき数ヵ所の植物体(主に上部)の状況を観察。樹勢、バランス、花の状況などを把握します。
当日・翌日の管理戦略、
作業内容を検討・決定コンピューター上の環境・潅水等の管理設定を再調整し、当日および翌日の作業指示を現場に伝えます。
- 昼
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次回の肥料配合を作成
観察により把握した生育状況を踏まえて考察し、次回の肥料配合を作成します。
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不具合アラームの
状況チェックコンピューター上の環境・潅水等の管理設定の不具合アラームは、24時間365日対応。必要に応じて整備をします。
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関連各所との打ち合わせ
今後の天気予報を確認し、翌日以降の環境制御、病害虫管理、着果数計画、管理作業労務計画を検討し、関連各所との打ち合わせを実施します。
- 夕
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作業の状況、植物体の
状況を確認本日の作業は終了です。
おつかれさまでした。
カゴメが1998年に生鮮トマト栽培の第一歩を踏み出して以来、全国広がった主力大型菜園は14カ所。全菜園を合わせると、約1,000人がトマト栽培に携わっています。



カゴメが保有しているトマトの遺伝資源は、約7,500種。カゴメのトマトは多様なニーズに対応できるように、さまざまな品種の商品をお届けしています。引き続き、時代に求められる品種開発・商品開発を続けてまいります。



- 農薬使用の履歴管理はもちろん、定期的に弊社内での残留農薬の分析を実施し、管理体制を敷いています。
- お客様相談センターの連絡先を表記することにより、ダイレクトにお客様の声が届くようにしています。
- 専用の受注センター・専用の物流センターを整備し、365日休まず、商品をお届けできる体制を整備しています。
物流センターは全国に7カ所あり、輸送中は品質を保持できるように管理し、全国へお届けしています。