植物性乳酸菌の中でも、特にカゴメが注目しているのが「ラブレ菌」。これを発見した人は、ルイ・パストゥール医学研究センターの岸田綱太郎博士(1920〜2006年)です。
ウイルスに感染したときに、その増殖を抑えるために人が作り出すタンパク質の一種「インターフェロン」。インターフェロンは、ウイルスなどの感染から体を守る働きをする重要な物質。がんや肝炎の治療薬として有名ですが、元来人間の体内で自己産生されるもので、細胞がウイルスに感染した時に生まれ、感染から体を守ってくれるものです。逆に、インターフェロンの産生ができなくなると、体はウイルスと戦う免疫力を失い、さまざまな病気にかかってしまうこともあるのです。
博士は、人工的に産生したインターフェロンを投与することによって、がん治療の成果を挙げていました。しかし、人体が自ら作り出す物質であるインターフェロンを体外から投与する場合、ヒトによって効果に差があり、副作用などの影響も深刻でした。そのため、インターフェロンを体外から薬として投与するよりも、元来人体に備わったインターフェロン産生能力を高めて病気を予防する研究へと、博士の考えは移っていきました。
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