「おいしい」と思う感覚には個人差がありますが、多くの人にとって「おいしさ」を感じる大きな要因は、“うまみ”成分です。“うまみ”成分とは主に「グルタミン酸」と「イノシン酸」で、ほかにも30数種類の物質が確認されています。「グルタミン酸」は、タンパク質の構成成分である「アミノ酸」のひとつで、天然食品の「アミノ酸」の大部分を占めています。「イノシン酸」は細胞の核の中にある遺伝子の構成成分である「核酸」のひとつです。
日本人にとってなじみ深い食品でいえば、昆布の“うまみ”成分の約60%は「グルタミン酸」(残りは主に「アスパラギン酸」)、鰹節の“うまみ”成分は主に「イノシン酸」です。
“うまみ”成分は、結合した状態では“うまみ”はなく、「グルタミン酸」はタンパク質から分離すると“うまみ”として感じることができます。日本人の食事に欠かせない味噌、醤油は、大豆のタンパク質が発酵によって分解され、分離した「グルタミン酸」が生じるため、“うまみ”を感じることができます。
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