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カゴメ、幼児の食生活に関する調査実施 ~家庭内で実践している一番の食育は「必ず朝食を食べる」こと~

2006年9月28日

 カゴメ株式会社(社長:喜岡浩二)は、幼児の食生活に関する調査を実施いたしました。
 カゴメは、子どもたちの「食」への興味・関心を育み、食の楽しさを体験するきっかけづくりとなることを願って、さまざまな食育支援活動に取り組んでいます。
 本調査は、幼児とその保護者の食生活実態を把握し、今後の活動へ反映していくことを目的として実施したものです。
幼児の食生活調査【PDFファイル:223KB】
◆調査実施期間
2006年4月24日から5月末日まで
◆調査方法
カゴメ劇場(※1)ホームページ内にてインターネットによるアンケート回答方式
◆有効回答数
4,790件
◆主な調査内容
1.子どもの食生活に関する33項目について、
 「家庭内で実施していること」と「学校や園でやって欲しいこと」
2.子どもの食生活上で困っていること
 調査結果と分析は添付の報告書の通りです。中でも興味深いデータとして、
■ 「現在実施している」との回答が33項目中最も多かったのは、「必ず朝食を食べる」の92.1%で、唯一9割を超えている。H16年2月に厚生労働省から発表された食育レポートでは、幼児の朝食摂食率が80%代後半となっており、これと比較すると、本調査対象者は食への意識の高い層であると考えられる。 一方で、食生活上で困っていることとして挙げられたフリーアンサーからは、「朝食に時間がかかる」「朝食は量を食べない」など、朝食への悩みが目立つ。また、「少食」が「食べ過ぎ」よりも多く挙げられた。朝食欠食児童予備軍であることや、子どもたちの食への興味・関心が薄らいでいること、などが危惧される。

■ 「学校や園でやって欲しい」との回答は全体の1割にも満たないが、「地域の食材や特産品を知る」に続き「ガスコンロが使える」「子供の料理教室に参加したことがある」など調理に関する項目も目立った。食文化の伝承だけでなく、家庭内で調理を教える機会が減り、学校や園へ期待する傾向が伺える。

などが挙げられます。

カゴメは今回の調査から


幼児を持つ保護者は、食事マナーや生活リズムは家庭内で実施、または実施したいと 考えており、食文化や調理については、学校や園などへ期待する傾向がある。

との結論を得ています。

  この調査結果について、料理研究家・管理栄養士の村上祥子氏より別紙のコメントをいただいております。カゴメでは、今回の調査結果をさらに検討・分析し、食育支援活動の更なる発展と充実を図ってまいります。

※1:「カゴメ劇場」は、カゴメが実施している食育支援活動のひとつで、毎年夏休みにたくさんの親子を無料でご招待している、「食」をテーマにした、カゴメオリジナルのぬいぐるみミュージカルです。
1972年(昭和47年)にスタートした本企画は、今年35周年を迎え、のべ来場者数は306万人を超えました。 今年も全国19会場にて40回公演を行い、約63千人のお客さまにご来場いただきました。
(詳しくはカゴメ劇場HPをご覧ください。⇒http://www.kagomegekijo.com/)
カゴメ株式会社「幼児の食生活に関する調査報告書」へのコメント
料理研究家・管理栄養士
村上 祥子
 「幼児の食生活に関する調査報告書」を読みました。
 1.必ず朝食を食べる92.1%2.「いただきます」「ごちそうさま」を必ず言う89.4%3.「食べ物を粗末にしない、食べ物で遊ばない」86.8%、と今回の結果は心強い限りです。
 北海道教育大学小沢治夫教授が提唱する「風車の理論」がありますが、「朝食をとる→血糖値が上がる→体温が上がる→体にスイッチが入る→勉強や運動に集中できる→体が疲れて早く眠る→朝早く起きる」は、健康な人間の生活の基盤となります。
 文部科学省は体力・学力低下の回復は生活習慣の見直しからと、2006年度から「早寝・早起き・朝ごはん」運動の実施を始めました。
 今回の調査のボリュームゾーンは3歳から5歳の子どもたちだそうですが、子どもは2歳になると消化酵素が大人なみに揃って何を食べても平気になります。3歳になると自己が確立し、自主的にやりたいという気力が芽生え、技術力もついて、料理が十分できるようになります。料理は食べられるおままごと。3歳から料理に親しみはじめ、「主食になるごはん、体のもとを作るたんぱく質のおかずと、体の機能を維持していく野菜や海藻のおかず」の「日本型食事」を小学校に入るまでの間に身につけると、一生ものになるのです。アメリカの私立幼稚園では、園児対象の食教育のクラスをプレミアム・フィーをつけて開催し、一流シェフを呼んでバランス良く食べる取り組みが盛んに行われています。このクラスを卒業した人は講座を受けなかった人に比べて肥満が少ないというデータがあると、講師は私に話しました。
 村上祥子の「ミニシェフクラブ」で3歳児に料理を教えていますが、野菜嫌いの子どもでも、切る前のにんじんを見せながら「これは何?」と尋ねると、元気に「にんじん!」と言ってパクパク食べます。素材の形を見せて触れさせることが、偏食を防ぐ第一歩。また、子どもは意外に大人が食べるような普通の食事が好きです。
 「子どもが喜んで食べない、いやがる→もったいないから作らない→手間が惜しいから親も子どもと同じ食事で我慢する→食卓で目にする機会が減る→ますます食べなくなる→個々の野菜嫌いから野菜全てが嫌いへ」という悪魔の風車が回り出します。
 子どもが食べない→でも親はどんどん食べる→あれッ?お母さんが食べている→安全な食べ物と認識する→いつか何かのはずみで食べる→好きになる。
 好き嫌いは効率主義の大人が助長しているのかもしれませんね。
以上