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アサヒビール株式会社及びカゴメ株式会社の業務・資本提携に関するお知らせ

2007年2月6日

 アサヒビール株式会社(以下「アサヒビール」といいます。)及びカゴメ株式会社(以下「カゴメ」といいます。)は、本日開催した各社の取締役会において、両社の業務における協力関係をさらに強化すべく、業務・資本提携契約を締結するとともに、同契約に基づくカゴメからアサヒビールに対する第三者割当による新株式発行を実施することを決議いたしましたのでお知らせいたします。
1.業務及び資本提携の背景と目的
 アサヒビールグループは、酒類・飲料を中心とした「食と健康」を事業領域として、国内及び東アジアを中心とした海外において、お客様へ生涯を通じた価値提供を行うことを方針として事業展開を行っています。またカゴメは、自然の恵みをお客様の健康的な食生活に役立てることを理念として、野菜果汁飲料・乳酸菌飲料をはじめとする加工食品事業を国内及び東アジア等で展開しています。両社の、「食」を通じてお客様の生涯にわたる健康的な生活に貢献するという事業方針、また将来に向けての成長戦略や展開エリアについての考えは極めて近く、そのため従来より飲料分野における共同商品開発・販売、海外事業における協力などを取り進めてきました。
 また、国内食品市場における成熟化、お客様の嗜好の多様化が進む中、食品企業にとっては、顧客の視点に立った新しい価値提供を、安心・安全を旨として、迅速かつ高い生産性をもって行う競争力の一層の強化が重要課題となっています。
 このような認識の下、今般、両社の共同開発の取組みにおいて、カゴメ独自の技術による野菜原料の独占的提供により、全く新しい野菜入りアルコール飲料の開発が2年越しで具体化し、両社のダブルブランドの商品として本年夏にも上市すべく準備を進めております。これを成功の第一歩とするとともに、これまで進めてきた協力関係のレベルを一段と引き上げ、研究開発・調達・生産・販売及びサービスといった事業活動の全般において、互いの得意分野を生かしてさらなる信頼・協力関係を構築し、「食と健康」の分野における相互のお客様への新価値提案に協力し合うことで、両社の考えが一致しました。こうした取組みにより、相互の企業価値及び株主価値を増大させることを目的として、今般、業務・資本提携契約を締結した次第です。
2. 提携内容の骨子
(1) グループ事業における商品ラインナップの拡充
 カゴメが市場から高い評価を受けつつある植物性乳酸菌やアサヒビールの酵母関連素材を始めとした自然・健康素材を活用した商品開発を行い、両社にメリットのある商品ラインナップの拡充を図ります。

(2) チルド製品分野における生産・配送の共同化と商品カテゴリーの再編成・拡大による相互効率化
 今後成長の見込めるチルド分野においては、カゴメが野菜飲料のチルド化及び拡大中の乳酸菌飲料事業への対応のため、2007年4月より茨城工場の関東チルド生産拠点化投資を開始する予定です。
 また、アサヒビールにおいては連結子会社である株式会社エルビーを通じて、チルド飲料の販売を行っています。カゴメの新設生産ラインの活用および、カゴメの乳酸菌飲料等をアサヒビールグループの持つ販売チャネルに乗せることで生産・配送の共同化を促進してまいります。
 また、ドライ飲料分野においては、同分野において強い生産・販売基盤を持つアサヒビールの事業を中心に、両社の商品群の再編成を検討していきます。

(3) 飲料営業部門の協業による競争力強化
 ドライ・チルド飲料全般で両社の持つ得意なチャネルを活用し、協業によって営業部門の競争力強化を図ります。

(4) 調理食品・業務用食品事業による協業
 a) 市場・チャネルの相互乗り入れと商品ラインナップの拡充アサヒビールの連結子会社であるアサヒフードアンドヘルスケア株式会社および和光堂株式会社とカゴメは、それぞれが強みをもつ販売チャネルの相互活用を図るとともに、それぞれが乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層への商品提案を進めることを目的に商品面でも連携を深めます。

  b) 生産設備活用による効率化カゴメの持つ既存調理食品生産設備について、アサヒビールグループにおける活用を促し、生産の効率化を図るとともに、アサヒビールグループにおける生産委託コストの削減を実現します。  

(5) 海外事業
 海外事業については、既に中国においてアサヒビールが進める飲料事業に対しカゴメが参画、常温でのカゴメ製品の製造及び流通をアサヒビールが同社出資会社である康師傅飲品控股有限公司に委託するなどの協業が進んでおりますが、こうした協業を更にアジア全域でも広げていくことにより、両社の海外事業発展を図ります。

(6) 機能面における協業
 a) 研究開発面における協業
 両社共同研究開発によるシーズ発掘機会の増加、カゴメの得意とするプロバイオティクス、バイオジェニクス等の活用等により、新規領域の拡大や既存領域の強化(サプリメント開発など)を促進します。

  b) 調達面における協業包材等の共同購入を進めることにより、規模の獲得によるコストメリットの享受を図ります。

  c) 物流面における協業共同配送や、両社が保有する物流子会社の再編の検討等、物流全般での効率化により、ロジスティクス基盤の効率化を図ります。
3. 資本提携の目的及び内容
(1) 資本提携の目的
 カゴメは、業務提携によるアサヒビールとの信頼・協力関係をさらに強固なものにするとともに、事業規模の発展・拡大を実現するために必要な資金を調達することを目的として、アサヒビールに対し、第三者割当増資を実施し、普通株式1,000万株を割当てることでアサヒビールと合意いたしました。なお、当該第三者割当増資実施後にアサヒビールが保有するカゴメ株式は、カゴメの総議決権の数に対する10.05%となります。

(2) 資本提携の内容(第三者割当による新株式発行要領)
  1 募集株式の数      10,000,000株
  2 払込金額         1,660円
  3 払込金額の総額     16,600,000,000円
  4 増加する資本金及び資本準備金に関する事項
                   増加する資本金の額は8,300,000,000円(1株につき830円)とし、
                   増加する資本準備金の額は8,300,000,000円(1株につき830円)とする。
  5 申込期日         平成19年2月21日
  6 払込期日         平成19年2月21日
  7 割当先及び株式数   アサヒビール株式会社 10,000,000株
   (注)詳細につきましては別途開示いたします「第三者割当による新株式発行並びに主要株主
      及び筆頭株主の異動に関するお知らせ」をご参照下さい。
4. 両社の概要
アサヒビール株式会社
 (1) 主な事業内容: 酒類、飲料、食品・薬品の製造・販売、その他不動産の販売・賃貸、
    麦芽の製造・販売、外食事業、卸事業、物流事業、金融事業 等
 (2) 本社所在地:東京都中央区京橋三丁目7番1号
 (3) 代表者:代表取締役社長 荻田 伍
 (4) 資本金:182,531百万円 (2006年12月31日現在)
 (5) 従業員:3,672人 (2006年12月31日現在)

カゴメ株式会社
 (1) 主な事業内容:調味食品、保存食品、飲料、その他の食品の製造・販売種苗、青果物の仕入れ・
    生産・販売
 (2) 本社所在地:愛知県名古屋市中区錦三丁目14番15号
 (3) 代表者:代表取締役社長 喜岡 浩二
 (4) 資本金:11,685百万円(2006年3月31日現在)
 (5) 従業員:1,382名(2006年3月31日現在)
5. 両社の業績に与える影響について
 業務・資本提携により、両社事業のシナジー効果の最大化・極大化を目指して参りますが、アサヒビールの平成19年12月期、およびカゴメの平成19年3月期における業績に与える影響につきましては、今後両社で設置するプロジェクトチームの活動状況・成果をみて検討し、見通しが明らかになり次第お知らせいたします。
以 上