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全国1,200名に大調査
「野菜の摂取方法に関する調査」
野菜は調理することで一部の栄養素が効率的に摂れることを知らずに
生野菜の摂取に偏っている人が多くいることが判明!

2015年3月13日

厚生労働省が平成25年度国民健康・栄養調査にて発表した成人1日の野菜摂取量の平均は283.1gで、目標の350gを大きく下回っており、日本人の野菜不足は年々深刻化しています。海外で行われた実験では、野菜は調理することで一部の栄養素の体内での吸収率が高まるということが実証されています。このことから、野菜は必要な量を摂取することに加え、栄養がより効率的に吸収される方法で摂取する必要があると言えます。

この度は、季節の変わり目で体調を壊しやすいこの時期に、女子栄養大学・三浦理代教授監修の元、全国の男女1,200名に対して「野菜の摂取方法」に関する意識調査を行いました。

<主な調査結果>

■食事の栄養バランスに偏りがあることが判明!

・81.5%の人は「野菜を摂取できていると思う」と回答したにも関わらず、成人1 日の野菜摂取量の目標の350gを摂取できていると思うと回答した人は半数以下の34.9%

・バランスよく栄養素を摂取するために「一日30食品を目標に」ができていると思っている人はわずか29%

■野菜は調理することで、一部の栄養素の吸収率が高まるという事実を知らなかった人69.7%!

・調理することで一部の野菜の栄養素の体内での吸収率が高まる理由を正しく答えられた人は、全体のわずか0.75%(9名)で、理解できている人は1%にも満たないということが判明

・最も栄養素が摂れる野菜の摂取方法の1位に「サラダ等、生野菜として」(46.6%)が上がるなど、調理することで野菜の一部の栄養素の吸収率が高まることがあまり知られていないという結果に至った

■普段の野菜の摂取方法は「サラダ等の生野菜として」が89.5%で大多数!

・最も頻度の高い野菜摂取方法は、「サラダ等、生野菜として」(48.7%)、「炒めて、野菜炒などとして」(18.3%)、「煮て、煮物などとして」(15.1%)

・最も好きな野菜の摂取方法は、「サラダ等、生野菜として」(47.2%)、「炒めて、野菜炒などとして」(20.2%)、「煮て、煮物などとして」(15.4%)

【調査概要】

*調査期間: 2015年3月3日~3月5日

*対象: 全国の男女 1,200人(15歳~69歳)

*割り付け: 10代・20代・30代・40代・50代・60代 男女各200名ずつ

*方法: インターネットによるアンケート回答方式

女子栄養大学 三浦理代教授 考察

野菜の栄養素は細胞壁に包まれており、そのままでは吸収が悪いのです。その細胞壁を壊すことで栄養素の吸収率が高まります。細胞壁は加熱や破砕をすることで壊れます。したがって、トマトの場合は生よりもジュースなどにした方がリコピンは3.8倍、β-カロテンは1.5倍吸収が良くなるという研究結果が出ています。市販の野菜ジュースは野菜を加熱・破砕してつくられており、リコピンやβ-カロテンを効率的に補給できる重要な加工食品の一つです。 また、旬の時期の野菜は栄養価が高いのです。野菜の加工品は旬の野菜を使うことが多く、例えば、トマトジュース、トマトケチャップに使われている加工用トマトは生鮮トマトと比べると、リコピンは約2?3倍多く含まれているといわれます。 今回の調査によると、生野菜で野菜をとっている方が多いという結果がでましたが、実は野菜を調理すると、かさが減って、結果的にたくさんの量を食べることができるので、栄養素もたくさんとれることになります。さらに、調理すると栄養素の吸収もアップするというメリットがあります。しかし、熱に弱いビタミンCは調理で壊れるので、生でとることをお薦めします。 このように野菜の食べ方は生野菜に偏らず、調理したりして、いろいろな形で野菜を食べることをおすすめします。合わせてごはんを食べ、肉、魚、大豆などからたんぱく質をしっかり摂り、バランスのよい食事を心がけ、日々の健康に役立てましょう。

※詳細はこちらからご覧ください。