畑から商品までの安全管理

よい畑からの原料調達

「よい原料」はよい畑から。「畑は第一の工場」と考えて品質管理を行っています。
トマトジュースに使用する国産のトマト原料などは、調達を開始する前に、品質規格を含む契約を取引先と結びます。調達の方式は(1)あらかじめ、作物の品種や栽培面積、出荷規格などを決めて栽培を依頼し、(2)栽培中は、当社の担当者が実際の畑を確認して、その畑に適した栽培方法を指導し、
(3)収穫された分は、規格に適合する全量、当社が買い取る、というものです。
この方式によって、安全な原料を調達できるとともに、農家とのコミュニケーションも深まり、そこから生まれる信頼関係が安心に結びつきます。

残留農薬に対する取り組み

使用する原料は残留農薬を分析し、安全性を確認しています。試験・分析機関としての実力を判定する国際規格ISO17025の認定を取得し、分析精度の更なる向上に取り組んでいます。

放射性物質に対する取り組み

当社商品に使用する国産の原材料については、行政による放射性物質のモニタリング状況等を確認し、必要に応じて自主検査を行い、安全性を確認しています。

海外の農産加工原料の調達に対する取り組み

海外の農産加工メーカーから調達する主要な輸入製品・原料については、より良い品質の製品・原料を調達するために、収穫した農作物を加工する製造工程だけでなく、委託農家での農薬散布回数や最適な施肥などの栽培方法も含めて、畑から工場までのプロセス全体の課題についてサプライヤーとともに検討します。また、シーズン終了後には今季のレビューから来年度への課題を抽出し、お互いに継続して成長できるような目標の設定を行います。

調達先における実際の製造下での品質監査

安全でより良質の原料を調達するため、提出書類に基づく品質監査に加え該当原料を実際に製造している状況下で製造工程の確認を行う品質監査を実施しています。監査ではCodex HACCP、ISO22000、FSSC22000等の食品安全国際規格を参照のうえ作成した、カゴメ独自の「工場監査チェックシート」を使用しています。品質不良が発生するリスクをより具体的に把握し、新規の調達拠点では購入の適合・不適合の判断を行い、既存の調達拠点では未然防止視点での課題を洗い出しそれら改善に調達先とともに取り組んでまいります。国内外すべての調達先の農産加工原料等の内容物原料において、この品質監査を実施しています。

生産・物流の基準・ルールと行動指針

国際規格ISO9001に準拠したカゴメ独自の品質マネジメントシステムに基づいて、設計開発~調達・生産・物流・販売にわたり品質活動に取り組んでいます。商品の製造にあたっては、自社工場において食品安全に関する国際規格FSSC22000を取得し、HACCPの手法に基づき品質管理活動を実施しています。
※HACCP:食品材料の入荷から製造・出荷に至る生産工程に対して、予想される微生物的・化学的・物理的危害要因を分析し、その結果に基づき危害防止のための重要管理点を設定して集中的に管理する衛生管理手法

●使用原料の菌数および工場での製造条件を考慮して「科学的な根拠で殺菌条件」を設定
●原材料の危害は「新規原材料評価」、「モニタリング分析」で評価
●製造工程の管理と検査基準を「製造管理基準」で制定
●防虫、作業員の衛生(手洗い、消毒など)、衛生区画を「衛生管理要領」で制定
●製造工程ごとの管理や検査の手順を「QC工程表」で明確にして記録

また、2005年に生産現場での「行動指針」を定め、品質第一の徹底を図っています

フードディフェンスへの取り組み

国内での「意図的な異物や薬品混入」に対する備えとして、フードディフェンスに関するリスク評価を行い、評価結果に基づいて管理しています。自社工場における安心・安全カメラの設置や施錠システムの刷新、工場従業員同士のコミュニケーションの活性化のほか、委託先の工場に対しても当社の管理ガイドラインに準拠していただいています。