海外グループの品質管理・品質保証体制

2016年に国際事業本部内に設定されたグローバル品質保証部門は、海外グループ会社で守るべきグループ共通の品質管理基準(Kagome Best Manufacturing Practice, 以下、KBMP)を定め、海外グループ会社に展開する活動を継続的に行っています。また、品質保証のみならず、各社で取り組んでいる環境課題や原価低減などの技術課題の成果を把握し、横断的に共有、活用することで、グループ全体の品質保証レベルや生産性の向上を推進するとともに、海外事業におけるCO2排出量の削減や水資源の保全などへも積極的に取り組んでいます。

海外グループ共通の品質管理基準(KBMP)の展開と監査による検証・改善

KBMPの展開では、日本の考え方をただ現地に押し付けるのではなく、グローバル品質保証会議などを通して、海外グループ会社の改善事例などを共有し合い、お互いに品質を高める意識を醸成していくことに主眼を置いています。
KBMPの導入初期では、異物混入に関する考え方や技術を海外グループ会社に展開し、品質管理レベルの向上に取り組みました。続いて、商品設計由来の品質事故の未然防止活動や、品質事故が起きた場合を想定した対応マニュアルの共通ルール化を行いました。KBMPの定着によって、設計から販売に至るまでの各プロセスにおけるカゴメグループ全体の品質向上につながっています。KBMPは既存の製造設備のみならず、新工場や新しく導入する製造設備にも設計段階から反映させています。

グローバル品質保証会議の開催

コロナ禍の影響により対面での開催を見合わせていたグローバル品質保証会議を2022年11月に東京で開催しました。米国、ポルトガル、オーストラリア、台湾、インドから、各グループ会社の経営陣や品質保証・製造責任者が集まり、各社の品質、生産、5S、安全、サステナビリティの取り組みなどについて、事例の共有や意見交換を行いました。また、外部講師を招いての未然防止トレーニング、ワークショップなどを行ったほか、長野県の富士見工場での中央制御室からの工程モニタリングシステムの見学や、野菜生活ファームでカゴメのカルチャーに触れる体験をしました。このような取り組みは、各グループ会社で切磋琢磨しながら品質マインドを向上させるだけでなく、生産や環境などの課題や目標達成に向けた視点を揃えていくことにもつながっています。

グローバル品質保証会議(未然防止トレーニング)の様子(2022年11月、東京)