[大根]栄養や選び方、鮮度を保つ保存、下ごしらえ、切り方など

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[大根]栄養や選び方、鮮度を保つ保存、下ごしらえ、切り方など

監修:

ほぼ一年中出回っていますが、晩秋から初冬の秋冬大根が良く知られます。大根の辛みは、「イソチオシアネート」という成分によるもの。この成分は、大根をすりおろしたり切ることで生成されます。

栄養素

  • ビタミンA(葉)
  • ビタミンC(葉)
  • ビタミンK(葉)
  • 葉酸(葉)
  • カルシウム(葉)
  • 食物繊維(葉) など

大根の辛み成分「イソチオシアネート」は、大根をすりおろしたり切ることで生成されます。部位によってイソチオシアネートの含有量が異なるため、辛みの感じ方も違ってきます。根の先端に近づくほどイソチオシアネートの量は多く、その量は葉に近い部位の約10倍にもなります。若い大根ほどイソチオシアネートの量は多く、成長するのにしたがって減っていきます。イソチオシアネートは揮発性のため、辛みを好む場合は食べる直前におろすのがおすすめです。また、繊維に沿っておろすと細胞が壊れにくいので、繊維を断ち切るようにおろしましょう。

旬・産地

出荷される季節によって、春大根(4~6月)、夏大根(7~9月)、秋冬大根(10~翌年3月)に分けられますが、特に冬を中心に出回ります。春大根や秋冬大根は暖かい地域を中心に、夏大根は寒冷地や高地で作られたものが流通します。
大根は春にトウ立ちしてしまったり、暑い時期に病気や虫などの被害がでるため、春から夏にかけても収穫できるように品種改良や栽培の工夫が進められました。

選び方

おいしい大根の選び方

おいしい大根の選び方

持ってみて、ずっしりと重みがあり、曲がっていないもの、色が白くて皮のきめが細かく、ツヤとハリがあるものがよいでしょう。 ひげ根はできるだけ少ないほうがよく、また、ひげ根がついているくぼみを通る筋が、垂直にまっすぐ通ったものを選びましょう。

 おいしい大根の選び方2

“ス”入りをチェックするには茎の断面を見て。茎の切り口の中央が白くなっていたり(赤線で囲ったもの)、空洞になっているものは、根にもスが入っていることが多いので、避けましょう。

保存方法・期間

丸ごと保存する場合

丸ごと保存する場合

丸ごと1本では冷蔵庫に入らない場合には、2つに切り、乾燥しないようにビニール袋に入れて密封してから冷蔵庫に入れます。なるべく畑で生えていた時と同じように、立てて保存しましょう。

大根おろしを保存する方法

大根おろしを保存する方法

余ってしまった大根おろしは、冷凍できます。大根おろしを1食分ずつ(約70g)ラップで包み、密封袋に入れて冷凍します。(詳しくはこちら

下ごしらえのコツ

部位別おすすめ調理法

大根は部位によって味と肉質が違ってきます。それぞれの特徴を生かした調理法で、おいしさを引き出しましょう。

部位別おすすめ調理法

①葉
柔らかそうな葉は刻んで、固い茎の部分は薄く切って青みとして

②葉に近い部分
甘みが強く固いので、生のまません切りや薄切りなど、食べやすくして

③中央部
甘みが強く柔らかいので、大根そのものを味わう料理に。大きくカットして

④先端部分
辛みが強く筋が多いので、すりおろしたり、細かく切って

⑤皮
固くて水分が少ないので、歯ごたえを楽しむ料理に

煮物用大根の下ごしらえ(面取り)

煮物用大根の下ごしらえ(面取り)

大根は厚めの輪切りにして皮をむき、角を包丁でくるりと一周切り取ります。鍋の中で大根同士がぶつかって煮崩れするのを防ぐことができます。

煮物用大根の下ごしらえ(隠し包丁)

 煮物用大根の下ごしらえ(隠し包丁)

大根の片面だけに1cmの深さで十文字の切込みを入れます。火が早く通り、味も中心までしみこみやすくなります。盛り付ける時には、隠し包丁を入れた面を下にしましょう。

下茹での方法

大根特有の匂いが気になるのなら、米のとぎ汁で下ゆでをしましょう。

下茹での方法
  1. 鍋にとぎ汁と大根を入れ、火にかける。
  2. 竹串がすっと通るくらいまで柔らかくなるように20~30分茹でる。
  3. 茹でた後、水洗いする。水にさらすことで米ぬかを洗い流し、大根のアクをさらに抜く。
下茹での方法2

大根おろし作りのコツ

下茹での方法

おろし和えやみぞれ鍋など、たくさん食べるときには、葉に近い方から中央部分を使います。目のあらいおろし金で、力を入れてざっくりとおろしましょう。
薬味として焼き魚や刺身、天ぷらに添えるなど、辛みを楽しみたい時には先端部分を使います。目の細かいおろし金でゆっくりすりおろしましょう。

バットなど平らなものの上にペーパータオルをしき、その上におろし金をのせて、平らな状態でおろしましょう。
大根が大きくて持ちにくい場合は縦半分に切っておくと、しっかりつかめるので、疲れにくくなります。

葉の調理法① 即席漬け

葉の調理法①即席漬け

葉付きの大根が手に入ったら、葉を小口切りにして塩でもみ、ビニール袋に入れて空気を抜いて密封します。重石になるものを上にのせて冷蔵庫で一晩寝かせます。ほろ苦くて歯ざわりがよいので、そのまま食べるだけでなく、ご飯に混ぜて菜飯にしたり、チャーハンの具にもおすすめです。

葉の調理法② 茹でる

葉の調理法②茹でる

柔らかそうな葉がたくさん付いている場合は、茹でておひたしなどにします。また、細かく切って汁ものの青みに使うのもよいでしょう。

カットのバリエーション

カットのバリエーション
数字は下の番号に対応しています

[切り方 使い方]


①小口切り    浅漬け、菜飯、汁ものの青み

葉に近い部分
②短冊切り    サラダ、和えもの、汁の実
③せん切り    サラダ、和えもの、汁の実、なます
④いちょう切り  サラダ、和えもの、汁の実、浅漬け
⑤半月切り    サラダ、和えもの、汁の実、浅漬け

中央部
⑥せん切り    刺身のつま、なます、サラダ
⑦さいの目切り  サラダ、スープの具、ゆでて和えもの
⑧乱切り     煮もの、炒め煮
⑨輪切り     ふろふきだいこん、おでん、煮もの

先端部
⑩すりおろし   焼き魚、卵焼きや天ぷらなどに添える、みぞれ煮
         みぞれ鍋、おろしあえ、からみもち
⑪せん切り    炒めもの、汁の実

先端部
⑫せん切り    きんぴら、炒め煮
⑬太いせん切り  即席漬け、炒め煮


写真:小林友美
制作・監修:カゴメ
参考文献:
『新・野菜の便利帳』板木利隆監修(高橋書店)
『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』白鳥早奈英・板木利隆監修(高橋書店)
出典:
農林水産省 平成26年産野菜生産出荷統計(産地)
独立行政法人農畜産業振興機 構野菜ブック「だいこん」(出荷時期)


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最終更新:2023.01.12

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