地球温暖化の防止地球温暖化の防止

CO2排出量の削減方針

カゴメグループは、自然の恵みである農産物やその加工品を販売することで事業を行ってきました。このため事業継続の最大のリスクを原料調達の途絶と考えています。
近年、地球上の温室効果ガスの濃度が上昇し、地球温暖化による異常気象が多発しており、カゴメグループの世界の原料産地にも大きな被害を及ぼしています。カゴメグループが将来に渡り持続的に事業を発展させるためにも、パリ協定(※)を率先して遂行し、温室効果ガスの排出量削減に積極的に取り組んでいきます。
※パリ協定:2015年12月12日、COP21で採択された気候変動抑制に関する国際協定
(産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑制)

CO2中長期削減目標の設定

<スコープ1、2>
パリ協定の「2℃未満目標」に則り、グループ全体のCO2排出量を2016年対比で2030年までに20%以上、2050年までに50%以上削減します。
<スコープ3>
スコープ3の中で最も多い排出量を占めるのは、購入する原材料や製品の製造に関するCO2の排出であり、これを削減するため、サプライヤーにも削減目標の設定及び削減の実行を呼びかけ、2021年までに主要サプライヤーの削減目標を把握し、2022年から協働してCO2排出量の削減に努めていきます。

CO2排出量の削減目標
CO2排出量の削減目標

カゴメグループCO2排出量

※環境パフォーマンスデータの年度の期間は、2018年1月~12月で計算しています。

スコープ1、2のCO2排出量
単位:CO2トン
事業所の所在国 スコープ1 スコープ2 合計 対象事業所
日本 56,482 26,274 82,756 6工場、4大型菜園、22オフィス
米国 5,409 9,888 15,297 2工場
ポルトガル 24,243 4,892 29,135 2工場
オーストラリア 17,045 9,364 26,409 1工場
イタリア 1,017 2,087 3,104 1工場
台湾 901 1,530 2,431 1工場
中国 0 74 74 1工場
合計 105,097 54,109 159,206 14工場、4大型菜園、22オフィス
スコープ3のCO2排出量
カテゴリー CO2排出量(トン) 比率(%) 備考
①購入した製品サービス 1,683,245 86.3
②資本財 38,575 2.0
③Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 45,192 2.3
④輸送、配送(上流) 47,368 2.4
⑤事業から出る廃棄物 7,305 0.4
⑥出張 326 0.0
⑦雇用者の通勤 1,115 0.1
⑧リース資産(上流) 899 0.0
⑨輸送、配送(下流) 62,435 3.2
⑩販売した製品の加工 47,199 2.4
⑪販売した製品の使用 - - 算定対象外
⑫販売した製品の廃棄 14,928 0.8
⑬リース資産(下流) 1,538 0.1
⑭フランチャイズ - - フランチャイズ事業の該当なし
⑮投資 - - 投資事業の該当なし
合計 1,950,125

温室効果ガス排出量の第三者検証

カゴメは温室効果ガス排出量に対して信頼性の高いデータの情報開示が必須と考え、温室効果ガス排出量(スコープ1、2、3)について、第三者検証を受け、検証報告書を取得しています。
2018年(1月1日~12月31日)の温室効果ガス排出量について、国内工場(スコープ1、2)及び国内のカゴメグループ(スコープ3)から排出された温室効果ガスの算定方法の妥当性及びデータの検証がISO14064-3:2006に準拠して行われ、検証機関である一般社団法人日本能率協会による検証報告書を取得しました。

温室効果ガス排出量検証報告書(スコープ1、2、3)

国内におけるCO2削減の取組み

<国内工場>

※環境パフォーマンスデータの年度の期間は、2014年度までは4月~3月、2015年度以降は決算期変更に伴い、1月~12月で計算しています。

エネルギー使用量削減

生産活動には天然ガス(LNG)、電力など多くのエネルギーが必要となります。
カゴメでは、国内全工場でエネルギーの効率活用や省エネ活動の実績確認、課題抽出、改善方法の検討を定期的に行い、エネルギーの効率的な利用に努めています。

富士見工場の現場パトロールの様子
富士見工場の現場パトロールの様子
エネルギー使用量の推移
エネルギー使用量の推移

CO2排出量削減

2018年度における国内全工場のCO2排出量は2017年度比約0.5%増加し、38,700t-CO2、生産量あたりの排出量は2017年度より約0.2%少ない99.3kg-CO2/klとなりました。

CO2排出量の推移
CO2排出量の推移

国内工場での省エネキャンペーンの展開 ~エネルギーのムダ・ロス削減~

国内工場では、省エネキャンペーンを行い、CO2排出量を削減するための優れたアイデアを提案した人に優秀提案賞などを授与することで、省エネ活動を活性化しています。

省エネ仕様設備の積極的導入

カゴメでは、老朽化した設備を積極的に省エネ仕様の設備へ更新することにより、継続してエネルギー使用量原単位の低減に取り組んでいます。

高効率変電設備の導入
高効率変電設備の導入

設備の運転制御の見直しによる省エネ

カゴメでは、設備の運転におけるムダを見つけて、運転制御方法を見直すことにより、エネルギーの削減に取り組んでいます。

コンプレッサー制御の効率化
コンプレッサー制御の効率化

排温水からの熱回収によるエネルギー使用量の削減

カゴメでは、全工場においてエネルギー収支フローを作成し、エネルギーロス発生箇所の把握、エネルギーの使用効率改善に取り組んでいます。

2018年度の省エネ対策の事例
区分 省エネ対策 導入工場
電力使用量の削減 ・エアーコンプレッサーの運転効率化 小牧、富士見
・水滴除去ブロアー化 小坂井、富士見
・高効率変電設備の導入 小坂井
・エアコン運転方法の見直し 上野
LNG使用量の削減 ・冷却排温水からの熱回収 富士見、上野
・蒸気配管からのドレイン回収 那須、小牧、茨城
・ボイラーの運転制御見直し 富士見、茨城

物流

CO2排出量削減

カゴメは、省エネルギー法により、「特定荷主(※1)」に認定されています。
2018年度のカゴメの輸配送におけるCO2排出量は2017年度比約1.9%減少して24,900t-CO2、販売重量あたりの排出量は、2017年度比約5.2%減少して41.6kg-CO2/tとなりました。
今後も大型輸送車の使用比率の拡大、往復輸送の推進による車両台数削減、輸配送距離の短縮、共同配送の推進、ルート別輸送頻度見直しによる積載率の最適化などの取り組みを強化し、輸配送におけるCO2排出量の削減を進めていきます。

※1)事業活動に伴って貨物輸送を委託している量(自家物流を含む)が年間3,000万トンキロ以上となる事業者

物流におけるCO2排出量の推移
物流におけるCO2排出量

モーダルシフト

カゴメグループでは、製品輸配送時における環境負荷低減の取り組みとして、鉄道などのより環境負荷の低い輸配送手段に切り替える「モーダルシフト」を継続して推進しています。
これにより、鉄道輸送を積極的に行っている企業として国土交通省が認定する「エコレールマーク」の認定企業となっています。
また、2014年2月に、「カゴメトマトケチャップ」「カゴメソースウスター醸熟」「カゴメソース中濃醸熟」「カゴメソースとんかつ醸熟」において、国土交通省ならびに公益財団法人鉄道貨物協会が制定する、第30回エコレールマークの商品認定を取得しました。

エコレールマーク

共同配送

国内カゴメグループは、Mizkan、日清オイリオグループと共同で、3社分の商品を同一車両に積み込んで配送する共同配送を実施しています。
加えて、2016年4月より北海道エリアにて、2019年2月より九州エリアにて、F-LINEプロジェクト参画メーカー6社による共同配送を新たに開始しました。
共同配送の目的は、環境への配慮・トラックドライバー不足への対応などが挙げられます。
現在、国内面積に占める共同配送エリアの割合は75%となっています。

●共同配送稼働エリアと開始時期
共同配送稼働エリアと開始時期

F-LINE

食品メーカー6社(※)は、2015年2月2日、"食品業界全体およびそのサプライチェーン全体の発展"に資する効率的で安定的な物流体制の実現を目的として、食品企業物流プラットフオーム(F-LINE)の構築に合意し、持続可能な物流体制の検討を行っています。
食品業界の物流環境は、トラックドライバー不足、物流コストの上昇、CO2削減をはじめとする環境保全への対応等、多くの課題を抱えています。そのため食品メーカー6社は食品企業物流プラットフォームの構築を目指し、主に(1)6社共同配送の構築、(2)中距離幹線輸送の再構築、(3)物流システムの標準化の3点について検討を重ねています。

2016年4月より、6社による初の共同配送(常温製品)を北海道エリアで開始しました。この配送では、現在6社合計で4箇所の配送拠点を2箇所に集約、共同保管し、各々の配送拠点から共同配送を行うことで一台当たりの積載効率を高めるとともに、手配等の物流業務の効率化を図っています。
2017年度は6社全体で約16%のCO2排出量の削減ができました。
加えて、2019年2月より九州エリアの配送拠点を1箇所に集約、車両台数を削減し、CO2排出量の削減を進めています。

※食品メーカー6社:味の素、カゴメ、日清オイリオグループ、日清フーズ、ハウス食品グループ、Mizkan

菜園

カゴメは、安全でおいしい生鮮トマトを1年中安定して市場にお届けするため、大型温室を使用してトマトを栽培しています。
菜園では、栽培に適切な温度を保つため暖房を使用しますが、その熱源には、環境に優しいLPガスを使用しています。さらに、燃焼時に発生するCO2を回収してトマトの生育に必要な光合成に有効に使用しています。加えて、外部の石油化学・精製会社等から発生する副生ガス(余分なガス)を精製してつくられた液化CO2を利用することにより、光合成を一層促進させてトマト収量の増加を図っています。
今後はバイオマスを利用した発電設備をハウスに併設し、2次的に発生する排熱、排ガスをハウス内で利用することで、CO2排出量の大幅な削減を実現していきます。
なお、響灘菜園においては、近隣に設置された大規模太陽光発電所より一部電力を受電し、自然エネルギーを有効に活用しています。

オフィス

※環境パフォーマンスデータの年度の期間は、2014年度までは4月~3月、2015年度以降は決算期変更に伴い、1月~12月で計算しています。

平常業務を通したさまざまな取り組み

カゴメグループでは、本社、支店などのオフィスにおいても、省エネルギー活動や省資源活動を進めています。

電力使用量削減

国内カゴメグループでは、従来行っているクールビズ、ウォームビズに加え、「スーパークールビズスタイル」ガイドラインを策定・推奨し、エアコンの設定温度を夏季は高めに、冬季は低めに設定しています。
また、照明の間引きや小まめなスイッチオフ、執務スペースの空調温度の調節、不要不急の機器の停止、複合機導入による機器の削減等の施策を実施しています。
2018年度におけるオフィスでの床面積あたりの電力使用量は、2017年度比約0.6%増加して159kWh/m2となりました。

オフィスでの電力使用量の推移(床面積あたり)
オフィスでの電力使用量の推移(床面積あたり)

残業時間の削減

働き方の改革活動により、午後8時以降の残業を禁止し、電気の使用量を削減しています。

カゴメは現在1,900~2,000時間の年間総労働時間を、組織や個人のレベルでのムダ・ムリ・ムラを廃した業務効率化を推進し、2020年に1,800時間(※)に削減します。業務の効率化を図るために部門間の連携、課やチーム単位の生産性の向上、会議資料のスリム化、スタッフ・営業部門ではオンラインで個人のスケジュールをチームで共有するなどのタイムマネジメントを進めています。
※)1,800時間:224日(休日と有給20日を除く労働日数)×1日8時間労働

再生可能エネルギーの活用

カゴメグループでは、CO2排出量削減のため国内外で再生可能エネルギーの利用を進めています。

太陽光発電設備の導入

米国
米国のKagome Inc.社では、2017年12月に工場の屋根全面に太陽光パネルを設置し、自家発電を実施しています。本工場では電力の購入価格が上昇しており、今度もこの傾向が続く可能性が高いことと、CO2排出量削減を目的に導入しました。この太陽光発電により、2018年度は工場の年間使用電力によるCO2排出量の26%を削減しました。

米国における太陽光発電

オーストラリア
オーストラリアのKagome Australia Pty Ltd.では2019年6月から太陽光発電を行っています。年間約380MWhの発電を予定しています。

オーストラリアにおける太陽光発電

九州の菜園での太陽光発電の利用

福岡県の響灘菜園では、近隣に設置された大規模太陽光発電所より一部電力を受電し、自然エネルギーを有効に活用しています。

九州の菜園での太陽発電の利用

地球温暖化への適応

耐病性品種開発による適応

各国の栽培環境やマーケットに合わせた種子の開発

米国カリフォルニア州をはじめ世界8カ国に拠点を持つUnited Geneticss Holdings LLC.では、トマトをはじめとする野菜の自社品種を開発し、世界80力国以上に種子や苗を提供しています。ブリーダーと呼ばれる開発者が、遺伝子組み換えではない従来の交配技術により長い年月をかけて品種改良を行い、各国の栽培環境やマーケットニーズに適した品種ができるまでトライアルを繰り返しています。
近年、日本を含め世界各国では、地球温暖化の影響からタバココナジラミの生息範囲が拡大し、この害虫が媒介するウイルス(TYLCV)によって、トマト生産に壊滅的な被害を与えるトマト黄化葉巻病が蔓延しています。これに対し、United Genetics Holdings LLC.では、このウイルスに耐性をもつトマト品種を積極的に開発し、被害が拡大する地域に導入を進めています。このことは病害リスクを回避するとともに、農薬使用量の低減にもつながっています。

各国の栽培環境やマーケットに合わせた種子の開発

最小限の水の使用による干ばつ地域への適応

2015年3月よりポルトガルの「アグリビジネス研究開発センター」にて、ビッグデータを活用した海外における最先端の加工用トマト栽培技術の開発に着手しています。具体的には、試験圃場に設置した気象・土壌などの各種センサや人工衛星・ドローンなどから得られるデータと、灌漑・施肥などの営農環境から得られるデータを活用し、トマトの生育状況や気象条件に応じた水・肥料・農薬などの最小限の使用で収穫量の最大化を達成することで、農業の高付加価値と環境負荷を極少化する農業の実践をめざしています。
今後、世界では温暖化による気候変動で、干ばつの発生頻度が高まるといわれています。水の少ない地域においても持続的な農業が行えるよう開発を進めていきます。

2015年夏期シーズンの収穫量は、ポルトガルの平均の約1.5倍にあたる146t/haを実現
2015年夏期シーズンの収穫量は、ポルトガルの平均の約1.5倍にあたる146t/haを実現

世界のトマト調達ネットワークによる異常気象への適応

年間を通じトマト加工品を販売するには、世界中から原料を安定的に調達する体制が必要です。優良なトマトの栽培に適した地域は、北緯35度、南緯40度に集中しており、これは「トマトベルト」と呼ばれています。北半球にあるスペイン、ポルトガル、イタリア、アメリカ(カルフォルニア)、日本では7月頃に収穫期を迎え、南半球のオーストラリア、チリなどでは1月頃に収穫期を迎えます。
近年、地球温暖化が引き起こす大雨や干ばつなどの異常気象により、トマト栽培産地が被害を受ける事態が発生していますが、カゴメは世界に多くのトマト調達ネットワークをもつことで、地球温暖化に適応し、安定した調達を行っています。

自然災害による操業停止リスクの回避

地球温暖化の進行に伴い、今後も気象災害が発生することを踏まえ、カゴメは大規模災害発生時から社長を本部長とした「災害対策本部」設置までのBCP(※)の初動について、経営主導で関連部門が遅滞なく動けるよう意思統一を行い、経営資源(人、商品、設備、情報)別に役割と初動を明記した「重大災害発生時のBCP初動基準」を定めています。本基準に沿って、災害発生時には、SCM本部が中心となり早期の商品供給再開に向けた物流ネットワークを構築します。
その他、カゴメは国内の全事業所に緊急地震速報システムを設置しています。本システムは事業所所在地での精度の高い予測情報が得られる高度利用者向けのもので、予測震度と地震到達までの時間が館内放送されるものです。また安否確認システムを導入し、短時間に従業員の安否を確認する訓練も進めています。
これらのしくみやシステムを利用することで、今後も従業員の命を守り、持続的な事業が行えるよう努めて参ります。
※)BCP:Business Continuity Plan(事業継続計画)