戦略:自然関連に関するLEAPアプローチ(TNFD)
カゴメグループ売上の多くを占める「トマトに関連する事業」を対象範囲として、自然への依存とインパクト、及びリスクと機会をTNFDフレームワークのLEAPアプローチによって評価しました。
(0)スコーピング(重点領域の選定)
トマトに関連する当社全事業を分析対象としました。
・ 生鮮事業:国内菜園(直轄、契約)
・ 加工事業:国内工場(食品製造、農場)、海外工場(食品製造、農場)、国内委託加工、海外サプライヤー(二次含む)
(1)Locate(自然との接点の発見)
生鮮事業14拠点、及び加工事業256拠点の計270拠点における事業の自然との接点を、分析ツールを用いて確認し、トマト購入金額やトマト関連製品生産金額等の重要度も踏まえ、優先地域を特定しました。
(2)Evaluate(依存とインパクトの分析)
優先地域、かつ分析ツールにてリスクが「Very high」となった指標の依存とインパクトについて詳細分析を実施しました。
(1)優先地域と(2)優先地域における依存・インパクトの特定
優先地域
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依存
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インパクト
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国
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区分
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拠点詳細
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日本
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菜園、農場
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国内菜園12拠点、国内農場5拠点
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良質な水、良質な土壌
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森林破壊、保護区・保全地域への影響、地域の花粉媒介への影響
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ポルトガル
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農場
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6都市・町:Beja、Evora、Leiria、Lisboa、Santarem、Setubal
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水の供給、良質な水、良質な土壌
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農地拡大・河川の利用による自然の変化、森林破壊、保護区・保全域への影響、地域の花粉媒介への影響
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工場
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2工場:FIT、Italagro
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アメリカ
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農場
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1州:California
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良質な水、良質な土壌
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農地拡大・河川の利用による自然の変化、森林破壊、保護区・保全地域への影響、地域の花粉媒介への影響
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工場
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2工場:Ingomar、KIU
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オーストラリア
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農場
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2州:New South Wales、Victoria
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水の供給、良質な水、良質な土壌
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農地拡大・河川の利用による自然の変化、保護区・保全地域への影響、重要な生物多様性地域への影響
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工場
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1工場:KAU
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(3)Assess(リスクと機会の特定)
Locate・Evaluateの結果を中心に、食品・農業セクターガイダンスやTCFDの結果も参考にしながらリスクと機会を特定しました。
自然関連リスク・機会の一覧
移行リスク
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政策と法
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1. 農薬規制によるトマト収量の減少、調達コストの増加
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2. 森林からトマト畑への土地利用変化により発生したGHG排出量削減コストの増加
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3. 先住民族や地域コミュニティとのエンゲージメント失敗による事業機会の喪失
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4. バージン食品包装からリサイクル食品包装への代替など、容器包装規制への対応に伴う調達コストの増加
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技術
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5. 生物多様性の危機への対応のための最新技術・設備投資の増加
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市場
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6. 農業就業人口の減少に伴う耕作地の荒廃、生物多様性への認知度や対応の低下
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評判
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7. トマトの栽培に伴う生物多様性への影響によるブランドイメージの低下
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物理的リスク
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急性
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8. 病害虫発生などによる生産量の減少
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慢性
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9. 過剰な施肥に伴う土地の健全性低下、及びトマト収量の減少
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10. 河川などにおける富栄養化による生物多様性の低下
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機会
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製品とサービス
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1. 植物残渣(トマトの茎など)のアップサイクル・製品化による売上の増加
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市場
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2. 農薬リスクを減じたサステナブルな農業で生産したトマトによるブランド価値の向上
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評判
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3. 在来種・外来種対応によるブランドイメージの向上
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(4)Prepare(対応策の検討、開示)
Assessで特定した「リスクと機会」に紐付けながら、対応策を整理しました。
対応戦略 :
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「 日本の生物多様性を脅かす4つの危機(生物多様性低下の要因)」を踏まえ、日本のみでなく当社グループが関係する各国の周辺地域に対して
自然を保全し、回復させる活動を拡大する
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アクション:
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トマトの栽培を通じて関わる菜園・農場及びその周辺地域と、トマトを加工し製品化する工場及びその周辺地域において自然を保全し、回復する
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No
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リスク・機会紐付け
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自然関連 対応策
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1
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リスクNo.4
機会No.1
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原材料・容器包装の調達、プラスチック包材や食品廃棄物の削減におけるサプライチェーン全体での持続可能な
運用の実現に向けた取り組みの推進
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2
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リスクNo.1, 2, 5, 7, 8, 9, 10
機会No.2, 3
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最適なトマト栽培システムの開発・確立と運営
(水、肥料、農薬使用量の削減、トマト品種の改良、循環型農業の展開)
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3
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リスクNo.3, 6, 7
機会No.3
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自治体や地域コミュニティ、生物多様性の主流化、農業従事者などの支援、在来植物の植栽、保全活動への支援
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4
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基本全てのリスク・機会に紐づく
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生物多様性行動計画(BAP)の計画的な推進、第三者認証の取得拡大
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指標と目標(目標年度:2030年度)
目標・対応策を、2025年度中に策定予定の次期中期経営計画及びカゴメ環境マネジメント計画(2026年~2028年)に活用・反映させることで、レジリエンスの向上を目指していきます。
(緩和)
・ Scope1,2において温室効果ガスの排出量を42%以上削減する(2020年対比)
・ Scope3において温室効果ガスの排出量を13%以上削減する(2020年対比)
・ 飲料PETのリサイクル/植物由来素材を50%以上にする
・ 紙容器飲料の石油由来素材ストロー使用をゼロにする
(適応)
・ 高温耐性品種への改良(栽培技術・品種開発)を1件以上行う
・ 乾燥耐性品種の開発、節水・減肥栽培技術の導入を1件以上行う
・ 国内工場の水使用量原単位を9%以上削減する(2021年対比)