JA福岡大城のイチゴ部会会員は285人。大木町だけでも100軒のイチゴ農家があります。部会長を務める塚本さんは30aの畑に9棟の大型ビニールハウス(温室)を建て、奥様と二人三脚で「あまおう」を育てています。
イチゴを手がけて23年。その前は大木町の名産品でもあるイグサを栽培し、畳表をつくっていらしたそうです。「『あまおう』は16年目。その前は『とよのか』をつくっとったので、まあ2年目ぐらいからコツをつかんだかなぁ。
『とよのか』に比べると大玉だもんで、収穫のときの手応えが違うよね」。 ひと粒で80g~90gほどになるものもあり、3粒でひとパックが埋まってしまうこともあるんですって!びっくり!
「大玉の方が味がええし、甘みも強くなるんでね、大玉づくりに、今ちぃ~とこだわってます」。いやあ~塚本さん、既にそのコツ・手応えをつかんでいらっしゃる笑顔ですよね?
温室内で一番花が咲き始めた11月初旬。外の露地の畑にもイチゴの苗が整然と植えられ、防寒の準備が進んでいました。来年の苗を取るための親株の栽培です。
「親株が冬を越してランナーを延ばし子株ができます。その子株を切り取って4月頃ポットに移植し、6月、本葉が4~5枚になったら冷蔵庫に移し、夏の間、温度や日照時間を調整して人工的に秋の状態をつくりだします。
その後で冷蔵庫から出し、9月にビニールハウス内の畑に定植します」。つまり、イチゴづくりは、1年=12ヵ月じゃなくて、14ヵ月あるんですね~!
「定植はたとえば5日、10日、15日…というふうに5日おきにずらして植えるんです。そうしないと、収穫時が重なって、手が回らなくなってしまうものでね(笑)。
1番花の開花以降、ひと月ごとに2番花、3番花、4番花と咲いて行くんですが、果実にお陽さんが当るように葉っぱを外側に回す作業を毎日繰り返して、一番花の実が色づき始めたら、夜は電照して日照時間を調整します。
ただ、この時期は3番花をつける時期とも重なり、あまりに早くから電照すると3番花がつきにくくなるので、加減が大事なんですよ」。