日田梨農家 大分県・安心院さん

水の郷・天領日田が100年育んできた「日田梨」。多彩な梨がいっぱい!水の郷・天領日田が100年育んできた「日田梨」。多彩な梨がいっぱい!
日田梨は一つの品種名ではなく、日田で栽培されている多彩な梨たちの総称です。その美味しさを「日田梨」ブランドとして、保証しているのです。7月下旬から収穫される「幸水(こうすい)」を皮切りに、 お盆明けには「豊水(ほうすい)」、9月「あきづき」、10月「新高(にいたか)」、11月「新興(しんこう)」と続き、12月は聖夜(ホリーナイト)に因んで命名された「豊里(ほうり)」、 そして年末の「晩三吉(おくさんきち)」まで、じつに6か月間も出荷が続きます。
気象、地質、天文、土木、化学…いろいろ勉強せんとええ梨はできん!農業は奥が深いな!
気象、地質、天文、土木、化学…いろいろ勉強せんとええ梨はできん!農業は奥が深いな!
大分県日田市は北部九州のほぼ真ん中、福岡・熊本両県に隣接した山間に広がる町。周囲を阿蘇・くじゅう山系の1,000m級の山々に囲まれており、盆地特有の寒暖の差が大きいのが特色。 夏は35℃を超す日が続く一方で、冬は氷点下や雪が積もる日もあるのだとか。筑後川の上流部・三隈川をはじめ、豊かで清涼な水に恵まれていることでも有名です。 「日田市で梨づくりが始まって今年(令和元年)で108年目。先輩たちが脈々と受け継いできてくれた技術を後輩たちにも伝えていくことが大事だと思う。 なるべくデータ化し、目に見えるカタチで記録を残していこうと、青年部の若手が頑張ってくれとる。頼もしいです」と語るのは、日田梨部会の販売部長をつとめる安心院(あじみ)さん。 梨部会はもともと7つあった生産者組合がひとつにまとまり、今は83戸が所属。このうち20~40代前半の20人ぐらいが若手「同志会」を結成していて、安心院さんの息子さんもそのメンバーの1人。 心強い4代目ですね!
次々と違う品種が満開に!
収穫を左右する花粉づけが一番大事‼病気が出やすいのも、この時期やしね。
収穫を左右する花粉づけが一番大事‼病気が出やすいのも、この時期やしね。
開花期には、1週間~10日おきぐらいに、次々と違う品種が満開を迎えます。4月上旬の時点で、一番早い「新高」が満開に。 「豊水」は8分咲き、「あきづき」は3分咲き、収穫が一番早い「幸水」はまだ咲いていないという具合。雨が降ると花粉が湿って受粉しにくいし、万一酸性雨だと、雌しべが伸びず交配が進みません。 農家の皆さんは、この時期、晴天が続くことを願うそうです。「明日は雨、気温が下がるという予報があった前日は時間を惜しんで受粉させます。 ミツバチにも手伝ってもらってますが、ハチは花の奥まで潜り、まんべんなく花粉を集めるから、ていねいに花粉をつけてくれます。 蜜をたっぷり持っている新しい花を確実に見つけるから効率もいいし。ミツバチは交配の名人やね(笑)」。梨は前年に蓄えた養分を使って花を咲かせます。 摘花して花の数を減らし、いかに余計な養分を使わせず実をつけさせるか、農家の腕の見せ所。病気が出やすいのも花の時期です。 「3月末、つぼみを包んでいる鱗包(りんぽう)の先が割れ始めたころに一度殺菌剤をつけてやるんですが、ちょうど年度末の飲み会が重なることが多くて、たまには失敗談もね (笑)」。
摘果の時期はワクワクする。「今年はええぞ!」…子供の成長を楽しむ気分で作業しとる!
摘果の時期はワクワクする。「今年はええぞ!」…子供の成長を楽しむ気分で作業しとる!
実がふくらみ始めたら、適正な数に実を残して余分を摘んでしまう「摘果」作業が始まります。摘花、摘果という2つの選別を経て、選び抜かれた実だけが大きく育てられるのです。 「下向きよりも、太陽が当たりやすい横向きの果実を残します。枝に触っている実も落とす。なるべく丸く形よくふくらみそうなもの、肌合いがきれいなものを残すんです」。 果実は見た目も大事ですもんね、美人さんぞろいになるわけです!晩生品種は収穫まで間があるので、保護するために「袋かけ」の作業をしますが、 安心院さんはなるべく無袋で育てたいそうです。「袋をかけた梨は日焼けが少ない色白美人、袋をかけない梨は健康的な小麦色肌の美人、というイメージかな(笑)。 無袋の方が管理は難しくなるけど、糖度はあがるんですよ」。だんだん無袋で育てる人が増えているとのこと、味わう私たちにはウレシイことですね!
後世に残る品種を目指して!
梨づくり40年。自分で満点つけられたのは1〜2回しかない。
梨づくり40年。自分で満点つけられたのは1〜2回しかない。
人の思い通りにはいかない梨づくり。特に近年は地球温暖化の影響で異常気象になりやすく、長年の経験が活かせないことも増えているのが悩みだそうです。 そんな安心院さんには秘かな楽しみがあります。それは自らの手で新しい品種をつくりだすこと。 味がいい「豊里」とカタチが真ん丸な「あきづき」を掛け合わせて12年、育てた樹が今年やっと花芽をつけたそうです! 「まあ、趣味みたいなものですが、自分で有望株を選抜して、いつの日か、真ん丸で甘くて、実成りもいい品種をつくり出したいですね。 後世に残るような品種がつくり出せたら、、、というのがちょっとした私のロマン、ですね」。安心院さん!きっとできますよ!できれば、来年ぐらいにアジミできるといいなあ~!
 
さらっとした甘さをお楽しみください!!