安定的な物流体制の構築

食品物流が抱える課題はトラックドライバー不足に代表される慢性的な物流従事者の不足、燃料価格の上昇、CO2 をはじめとする環境保全への対応等、多岐にわたります。カゴメは持続可能な物流を実現するために、それらの課題解決に向けて、社外とも積極的に連携しています。また製品を安定的にお届けするために、SCMの機能強化に取り組んでいます。


持続可能な食品物流を目指す「F-LINE」の活動

食品物流を取り巻く環境は、トラックドライバー不足に代表される慢性的な物流従事者の不足、燃料 価格の上昇、CO2 をはじめとする環境保全への対応等、その課題は一層深刻なものになっています。
食品メーカー6社(味の素、日清オイリオグループ、日清製粉ウェルナ、ハウス食品グループ、Mizkan、カゴメ)は、効率的で安定した物流力の確保と食品業界全体の物流インフラの社会的・経済的合理性を追求するため、理念を共有する食品メーカーが参画できる“食品企業物流プラットフォーム(F-LINE※1)”の構築に合意しました。6社による協議体 (F-LINEプロジェクト)では、共同物流会社F-LINE株式会社(※2)とともに、食品企業の物流プラットフォームの高次化を目指し、主に(1)6社共同配送の推進、(2)中・長距離幹線輸送ルートの再構築、(3)物流の整流化・各種標準化(伝票電子化、外装サイズ等)の実現を目指しています。
※1:Food Logistics Intelligent Network
※2:2019年4月、食品メーカー5社(味の素、日清オイリオグループ、日清製粉ウェルナ、ハウス食品グループ、カゴメ)が設立した共同物流会社。

日清製粉ウェルナとの「中継リレー輸送」

トラックドライバーの拘束時間を改善することで、ドライバー不足の解決を図り、物流体制を持続可能なものにしてきたいと考えています。
F-LINEプロジェクトのメンバーである日清製粉ウェルナと2023年7月から開始した「中継リレー輸送」は、首都圏から愛知県に向かうトラックと愛知県から首都圏に向かうトラックが、静岡県のある地点で、ドライバーを交代する取り組みです。これまでは、届け先の地域で宿泊が必要でしたが、この取り組みにより日帰りが可能となり、ドライバーの負担を軽減できると考えています。

北海道地区の共同配送を再構築

北海道は、消費地が広範囲にわたり分散しており、かつ物流センターから各地への配送距離が長いことから、他の地区以上に物流効率化が求められます。それに対応するために、当社を含む食品メーカーで協働し、2016年から共同配送を行っています。
2023年10月、さらなる改善を目指し、2ヶ所あった物流センターを1ヶ所に集約しました。物流拠点が1ヶ所になることで、配送車両1台当たりの積載効率が高まり、配送件数を減らすことができます。それによって温室効果ガス排出量も削減できますので、環境負荷も軽減できます。

中部・関西地区から九州への「定期海上輸送」

中部・関西地区から九州へのトラックによる陸送では走行距離が600㎞~750㎞ほどとなるため、2024年4月から適用されたトラックドライバーへの時間外労働時間の規制により、これまで通りに運べなくなることが想定されます。また陸路は自然災害で遮断されるリスクがあります。これらの課題に対して、F-LINEプロジェクトではフェリーによる定期海上輸送を2024年3月より開始しました。トラックドライバーの労働環境改善、輸送の安定化、CO2排出量の削減を図ります。