カゴメは、気候変動や地政学リスク・為替変動などの外部環境の変化に対応し、安定した調達を維持するため、これまで国内外で調達拠点の分散化とグローバルなネットワークの構築を進めてきました。
一方で、食品業界を取り巻く環境は大きく変化し、人権、環境保全、公正な労働慣行などサステナビリティの重要性はグローバルでこれまで以上に高まっています。
創業以来、カゴメは「畑は第一の工場」という思想のもと、自然の恵みを大切にしながら事業活動を行ってきました。原材料・製品・サービスを支えるサプライヤーの皆さまを重要な『パートナー』として位置づけ、共に持続可能な社会づくりに貢献することを目指しています。
2020年には「CSR調達方針」および「サプライヤーCSR行動指針」を策定し、2022年度からはサプライヤーである生産委託先、原料調達先、菜園などを対象に、独自のセルフチェック(SAQ)や現地監査を通じたリスク評価と改善支援を進めてきました。
そして2025年度には、これまでの取り組みで得られた知見および国際的な規範の変化を踏まえ、方針や体制を刷新し、2026年度より「持続可能な調達」体制へ全面的に移行しています。
この新体制のもと、「品質・環境方針」および「カゴメグループ人権方針」の考え方に沿って策定した「カゴメグループ持続可能な調達方針」および「カゴメサステナブル調達ガイドライン」に基づき、取り組みを推進してまいります。
今後も、サプライヤーの皆さまとの対等でフェアな協力体制を尊重しながら、安心・安全な原材料を安定的に確保し、持続可能な社会の実現とカゴメグループの持続的な成長を目指します。
カゴメグループは安心・安全な商品を安定してお届けするため国内外に幅広い調達ネットワークを構築しています。
いずれの拠点も、栽培から製造工程までの品質管理状況の確認を行い、品質の向上に努めています。
カゴメは、これまでサプライヤーと築いてきた協力関係を基盤に、2026年度から持続可能な調達の新たな運用体系へと移行し、実効性を高めています。社会課題へ適切に対応しながら、安全で安定的な原材料の確保をめざし、調達活動を進めてまいります。
安心・安全な原材料の調達はもとより、ビジネスパートナーであるサプライヤーと共に持続可能な社会の実現に貢献するために、「カゴメグループ 持続可能な調達方針」を制定しています。
本方針では、公正・透明な取引、法令・倫理遵守、人権・労働・環境への配慮など、カゴメが責任ある調達活動として重視する事項を定めています。
| 1. 法令・倫理の遵守 |
・関係各国の法令を遵守し、公正・透明な調達活動を行います。 ・取引先との契約を履行し、調達取引に関わる機密情報及び個人情報を適切に管理します。 |
|---|---|
| 2. フェアな取引き |
・品質・コスト・供給のほかに、技術力・提案力・環境への取り組み等を総合的に評価し、公平・透明な取引先の選定を行います。 ・優越的地位を用いた取引、搾取に加担する取引はしません。 |
| 3. 安心・安全な原材料・商品の確保 | ・お客様に安心いただけるよう、品質・コスト・供給の最適な組合せに配慮しつつ、品質と安全性を最優先した調達活動を行います。 |
| 4. 人権・労働・環境への配慮 |
・個人の人権を尊重し、労働環境や安全衛生に配慮した取り組みを行います。 ・野菜を育む水・土・大気の汚染防止を心がけ、森林破壊※を排除し、環境に配慮した調達活動を行います。 ※農業やその他の森林以外の土地利用への転換、植林地への転換、深刻かつ持続的な劣化の結果としての自然林の損失 |
| 5. 取引先との相互の繁栄 | ・取引先と共に助けあい支えあい、社会課題の解決に向けた取り組みに努めます。 |
「カゴメグループ持続可能な調達方針」を実現していくためには、サプライチェーンに関わる皆さまと共通の考え方を持ち、協働して取り組むことが重要です。
この考えのもと、持続可能な調達の基本姿勢と重視する事項を示す文書として、「カゴメ サステナブル調達ガイドライン」を策定しています。
2026年度の改訂では、これまでの法令および社会規範の遵守を基本としつつ、国際基準(UNGP、ILO、OECD等)との整合性をさらに強化しました。
・法令・社会規範の遵守と公正な取引
・安心・安全な原材料・商品の安定供給
・人権の尊重と健全な労働環境の整備
・環境保全と持続可能性への配慮
・リスクマネジメントと情報セキュリティ
国際基準に基づく人権・環境デューデリジェンスの評価体系を確立するため、2026年度より以下の第三者機関SAQを導入し、順次運用を行います。
これらは、サプライチェーンの取り組み状況を客観的かつ体系的に把握し、サプライヤーとの対話や改善活動につなげるための共通基盤として活用します。
具体的には、取引の特性やリスク、事業環境に応じて最適な評価ツールを選択し、多角的な状況把握を行います。
グローバルなサプライヤー管理プラットフォームであるSedex(Supplier Ethical Data Exchange)が提供する、国際的な自己評価アンケートです。人権を含む労働、健康・安全、環境、倫理に関する取り組みについて、グローバル共通の指標に基づく評価を行い、サプライチェーン全体におけるリスクの把握および管理に活用します。
GCNJ(国連グローバル・コンパクト日本ネットワーク)が策定した、調達における環境・労働・人権・ガバナンスの取り組み状況を確認するための自己評価アンケートです。網羅的な設問構成により、サプライチェーンにおける取り組み状況を確認し、リスクの把握および改善に向けた対話に活用します。
持続可能な調達は、調達部門だけでなく企業全体で取り組むべきテーマです。これまでも実務を担う調達部門と、全社のサステナビリティ推進を担う部門が連携して取り組んできましたが、2025年度より全社横断での議論をさらに深め、推進体制を再整備しました。2026年度からは、この連携を基盤として、持続可能な調達の実効性を高めるための運用を本格的に推進しています。
・サステナビリティグループが主管する分科会により全社横断で推進
・サステナビリティ委員会のもとで、戦略・KPI・PDCAを統括
持続可能な調達を継続的に高めるため、新規・既存サプライヤー双方に対して、体系的な評価と改善プロセスを実施します。
新規のサプライヤーの選定にあたっては、「カゴメサステナブル調達ガイドライン」への同意と、環境への配慮や、人権の尊重といった社会課題に係るサステナビリティ・リスク評価を行った上で、品質・コスト・安定供給などと合わせて総合的に評価・決定します。
契約後も定期的なSAQや必要に応じた現地監査を行い、状況の変化を把握します。課題が確認された場合には、一方的な是正勧告ではなく、共に解決策を検討する「改善支援」を行うことで、サプライチェーン全体のレジリエンスと持続可能性を高めてまいります。
国内外のサプライヤーおよび現地製造パートナーとは、対等で適正な関係の維持に努めています。取引にあたっては独占禁止法を順守し、不公正な取引は一切行いません。
また、サプライヤーも利用できる通報窓口として「カゴメ コンプライアンスホットライン」を設置し、健全なサプライチェーンの維持に努めています。
2022年度から2025年度にかけて、以下のサプライヤーを対象に独自のSAQや現地監査によるリスク評価を実施しました。評価結果はサプライヤーにフィードバックするとともに、必要に応じて改善を促すなどの個別コミュニケーションを行っています。
なお、SAQの結果に基づき、第三者機関による製品委託先7社への訪問監査を実施しましたが、行動指針に違反する重大な行為(人権侵害・法令違反・環境破壊など)は確認されませんでした。
・日本国内
製品委託先、菜園、加工用トマト調達先:すべての拠点を対象
・海外
製品委託先:すべての拠点を対象
原材料調達先:取引額や人権リスク情報等に基づき対象を絞り込み
FSC®(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会)は、木材を生産する森林と、その森林から切り出された木材の流通や加工の過程を認証する制度を管理する国際的な機関です。
FSCマークが入った製品を選択して購入いただくことで、海外で生産された木材であっても、環境や社会に大きな負荷をかけずに生産された製品(木材)を選択できるような仕組みになっており、世界の森林保全を間接的に応援できます。
カゴメは2014年からFSCマークのついた紙パック飲料を導入しています。
今後もFSC認証紙パックの使用を継続し、持続可能な資源を用いたものづくり・商品の提供によって、サステナブルな社会の実現へ貢献していきます。
パーム油は生産性が高く年間を通じて収穫でき安価なことから生産量は年々増加していますが、生産地では急激な生産拡大にともない、新規農園開発のための熱帯雨林の伐採やそれにともなう野生生物の生息地の縮小などの問題が生じています。また不適切な農園経営による、健康や安全への配慮が乏しい劣悪な労働環境や、低賃金、移民労働者の不当な扱い、児童労働など、社会的公正を欠くさまざまな労使問題も指摘されています。
カゴメは、このような問題の解決に向けた「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」に賛同し、正会員として加盟し、2019年にカゴグループの米国工場であるKagome Inc.でMB認証を、2020年にはカゴメでB&C認証を取得しました。2024年度のRSPO認証油比率は40%となりました(米国のMB認証40%、日本のB&C認証100%)。カゴメグループは今後も持続的な原料調達を目指していきます。
※RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil)
世界自然保護基金(WWF)、欧米企業、マレーシアパーム油協会などにより2004年に設立された国際組織で、持続可能なパーム油生産のための8つの原則と39の基準に基づき、持続可能なパーム油を認証しています。