[干し椎茸の戻し方]今さら聞けない基本から、時短テクまで

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[干し椎茸の戻し方]今さら聞けない基本から、時短テクまで

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秋の食卓を彩る椎茸は、何と言っても豊かな香りや食感が特長です。そんなうまみを閉じこめた干し椎茸(乾燥椎茸)は保存が利き、必要なときに必要な分だけ戻して使えて便利。ただし、おいしく戻すには、実はコツがあるのをご存知ですか?今回は、料理研究家の高城順子先生に干し椎茸のおいしい戻し方と、戻し汁の活用法を教えていただきました。

用途や時間で「どんこ」と「こうしん」を使い分け

用途や時間で「どんこ」と「こうしん」を使い分け

干し椎茸には大きく分けて2種類あり、写真右のかさが5~6分開きで肉厚のものが「どんこ(冬菇)」、左のかさが開いたものが「こうしん(香信)」です。どんこは丸形で表面に細かな亀裂があるのが特徴。一方、こうしんは厚みや形がさまざまです。
どんこは煮ものや鍋ものなど、椎茸の歯ごたえを楽しみたい料理におすすめですが、肉厚なぶん、戻すのにも時間がかかります。こうしんは薄くて短時間で戻るので、スライスして使うちらし寿司や、炒めもの、スープなど幅広い料理に使えます。用途や準備時間によって使い分けましょう。

干し椎茸は冷水でゆっくり戻すのが基本

どんこやこうしんを戻すとき、うまみを引き出すには、お湯や常温水ではなく、冷水でゆっくり時間をかけるのがポイントです。最初に全体をサッと水洗いしてから、かさを上向きにして、かぶるくらいの冷水に浸し、落としぶた状にラップ(下の写真)をして、冷蔵庫へ。冬場なら涼しい場所でもOKです。かさの厚さによって戻し時間は異なり、肉厚のもので半日~1日程度、薄いもので約4~5時間が目安です。時間があるときは、前日から戻しておくと良いでしょう。

干し椎茸は冷水でゆっくり戻すのが基本

時間がないときの時短テクニック

十分に戻す時間が取れないときは、こうしんを使いましょう。短時間で戻す2つの方法を紹介します。

1. ぬるま湯に浸して常温におく

人肌程度のぬるま湯にかさを上にして浸け、落としぶた状にラップをして常温におきます。かさの厚さにもよりますが、約2~3時間で戻ります。

ぬるま湯に浸して常温におく

2. 電子レンジで温める

小さめの耐熱容器にかさを上向きにして入れ、ひたるくらいの水(こうしん2個の場合、1/3カップ)に浸し、ラップをかけて常温で10分程度おきます。その後、電子レンジ(600W)で約20秒温め、取り出したらラップをしたまま常温におき、戻しましょう。

電子レンジで温める

戻し汁にはうまみがたっぷり!だしとしてスープや炒め料理に活用

戻し汁にはうまみがたっぷり!だしとしてスープや炒め料理に活用

干し椎茸の戻し汁には、香りが移っているだけでなく、旨味成分が含まれています。捨てずに料理で活用しましょう。味噌汁やスープなどのだしとして使うのはもちろん、炒り鶏や中華炒めなどに入れても美味。香りが強いので、他のだし(かつおだし、鶏ガラスープなど)と組み合わせる場合には、香りづけ程度に加えるだけでも十分な風味が出せます。

干し椎茸は、おいしいだけでなく、料理にだしのコクも加わるのが魅力。上手に戻して、いろいろな料理で楽しみましょう。

高城順子

高城順子

料理研究家・栄養士

女子栄養短期大学食物栄養科卒。和・洋・中華料理の専門家に師事した後、料理教室の講師を経て、フリーの料理研究家に。研究途上、栄養学の見地から野菜や果物のより有効な活用を思い立ち、エスニック料理の真髄を学ぶために東南アジア諸国を訪問。そこで習得した「美味しい健康食」の料理法をまとめ、発表した『くだものと野菜のヘルシークッキング』は、各方面から評価を得る。
入手しやすい材料からちょっとした工夫で作る家庭料理が人気。テレビをはじめ、多数の雑誌で料理を発表し続けるとともに、新しい時代の食文化啓蒙活動にも力を入れている。

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最終更新:2023.01.14

文:KWC
写真:菅井淳子
監修:高城順子、カゴメ

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