野菜には「指定野菜」と「特定野菜」がある

野菜には国が定めている基準として、「指定野菜」ともうひとつ「特定野菜」があります。それぞれの特徴を簡単に紹介します。
指定野菜
全国的に流通し、消費量が多い野菜、もしくは消費量が多くなることが見込まれる野菜のこと。つまり、私たちの生活に欠かせない重要な野菜として農林水産大臣が定めている野菜です。
特定野菜
指定野菜以外の野菜の中で、私たちの生活や、地域・農業振興上の重要なものとして指定野菜に準ずる野菜のこと。チンゲン菜、かぼちゃなど35品目があり、都道府県知事からの申請に基づいて、農林水産大臣が定めます。
ブロッコリーはこれまで特定野菜に含まれていましたが、2026年度からさらに重要な位置づけとなる「指定野菜」に分類が変わります。

補足:農林水産省では、概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物で、果実を食用とするものを「果樹」として取り扱っています。そのため、メロン、いちご、すいか(いずれも一年生草本植物)などは野菜として取り扱っています。
ブロッコリーがなぜ指定野菜に?その理由を紹介

ブロッコリーは、火を通しても変わらない鮮やかな緑が彩りとして重宝され、クセのない味わいで大人から子どもたちまで人気の野菜。そんな、ブロッコリーが世の中的に広く食べられるようになったタイミングや、2026年度に指定野菜に分類されることになった背景や理由を見ていきましょう。
日本に入ってきたのは明治時代
ローマ時代より「とう立ち(花芽のついた花茎が伸びた状態)した、花や柄」が食用され、日本には明治時代に入って来ました。すぐには広まらず、1970年代以降の食の洋風化に伴って食卓に上るように。その後、1980年代に入ってから、国民の栄養意識の高まりと、輸入物によって一年中出回るようになると、その栄養価が評価され消費量が一気に伸びました。
含まれる栄養面での評価
ブロッコリーは、β‐カロテンを900μg(マイクログラム・1mgの1000分の1)を含む緑黄色野菜ですが、中でもビタミンC(140mg)、ビタミンK(210μg)、葉酸(220μg)、鉄(1.3mg)を豊富に含みます(栄養素量は、可食部100gあたり、生、つぼみ)。
他にも様々な栄養が含まれていますが、茹でたブロッコリー100gで、成人(男性、30~49歳)が1日に必要な食物繊維のおよそ1/5、ビタミンCの2/3以上、ビタミンKの全量、葉酸の約2/3が摂れます。
出典:1日摂取目安量は栄養素等表示基準値(2025)
産地リレーによる通年での安定供給
下記の表にあるように、北海道から長崎まで、全国にわたる産地リレーにより、1年を通して安定的な供給で消費を支えています。

指定・特定野菜での消費者のメリットは?

指定野菜や特定野菜に選ばれる野菜が増えると、私たちの生活にもメリットがあります。指定野菜や特定野菜には、「該当する野菜の価格を安定させる」という国が定める仕組み(下記参照)があるため、私たちは年間を通して比較的安定した価格で購入できるようになっているのです。
最後に
指定野菜や特定野菜の特徴を知って、新たに指定野菜に加わるブロッコリーをはじめ、いろいろな野菜を料理に取り入れてみてください。