いちじくは、日本には江戸時代初期に伝わり、家々の庭の隅っこに植えておく果樹として親しまれてきました。現在、全国生産量の約2割を占めるのは愛知県。そのほぼ中央に位置する内陸部の街、安城市・碧南市周辺で広く栽培されています。
見渡す限りの平野が広がる安城市は農業の盛んな地域であり、世界的に有名な自動車メーカーのお膝元近くでもありますから、田園と工場や宅地が共存しているエリアでもあります。
定年を機に農業に本腰を入れたという水野さんご夫婦の畑は、もとは田圃。ご両親が1970年代の減反政策を契機にいちじく栽培を始めたという、いちじく農家の2代目です。
「僕らが結婚したときに両親が植えてくれたのが、この畑のいちじくで、ちょうど43年目。僕が勤めている間は、両親とカミさんが主にやっていて、僕は収穫や消毒の手伝いぐらいだったけど、僕ら夫婦と同じ年月を生きて来たんだなあ、と思うと、やっぱり可愛いよね(笑)」。
ご夫婦の歩みを知っているいちじく畑なのです。
旧約聖書に、エデンの園の果実として記されたいちじく。
アラビア半島原産で、クレタ文明や古代エジプトでも栽培されていたと伝わる、 長~い歴史をもつクワ科の果実です。 花が無いのに果実が実るように見えるので「無花果」とも書きますが、 じつは、果実に見えるのは壺のようにふくらんだ果托の部分。 その内側には小さな花がびっしり!と並んでいます。 私たちは、果托に包まれた花も一緒に、まるごと食べていたんですね!
アラビア半島原産で、クレタ文明や古代エジプトでも栽培されていたと伝わる、 長~い歴史をもつクワ科の果実です。 花が無いのに果実が実るように見えるので「無花果」とも書きますが、 じつは、果実に見えるのは壺のようにふくらんだ果托の部分。 その内側には小さな花がびっしり!と並んでいます。 私たちは、果托に包まれた花も一緒に、まるごと食べていたんですね!
いちじくは、新しく伸びた枝(新梢)に節をつくりながら芽吹いていきます。1節に葉っぱ1枚、その葉の根元に果実1個、1葉1果がセットになって、らせん階段を昇るように空に向かって伸びていきます。
「だいたい25段ぐらいの節をつくるのが目安かな。まんべんなくお陽さんが当たるように余分に出た芽を摘んだり、葉っぱをちぎったりする。なるべく葉っぱを小さく育てた方が実の色づきがいいので、肥料や水やりで調節するんですよ」。
今年は梅雨時に雨が少なかったので、葉っぱが小さめにできたとうれしそう。
「いちじくは、1個ずつポロポロと色づくんですよ。しかも、どうも夜に色づくみたいでね。実も夜にぐっと大きくなるし。ひと晩で熟すから「いちじゅく」。それで「いちじく」と呼ばれるようになった、という説があるらしいね(笑)」。
夕方、水やりのときにチェックして、明日はこれぐらいと見当をつけておいても、夜半に急に冷えこんだりすると、「見事に予想が外れる!(笑)」そうです。
いちじくの葉や実から出る白い液体は、いちじく農家さん泣かせ!ゴム手袋をしていないと、指がかぶれたり、指紋がなくなってしまう!のだとか。
「昔から、いちじくの汁はイボ取りに効く、とか言われたけど、肌を溶かす作用があるんかなあ?」と水野さん。
一度かぶれてしまうとシーズン中ずっと治らないので、ゴム手袋を何枚も取り替えながら、芽かき、葉かき、収穫作業などを行っているそうです。
これって、じつはいちじくに含まれるタンパク質分解酵素によるもの。お肉を柔らかくするので、最近では天然の食品添加物としても注目されているようですが、いちじく農家さんにとっては、深刻な悩みなのです。
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