[タマネギの辛くない切り方]今すぐ試したくなる包丁の使い方!

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[タマネギの辛くない切り方]今すぐ試したくなる包丁の使い方!

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生のタマネギのピリッとした辛みは料理のアクセントになるものの、その辛みが苦手という人もいるのでは。実は、包丁の使い方ひとつでタマネギの辛みが調整できることをご存知ですか。今すぐできる、辛みを和らげるための包丁の使い方をご紹介します。

タマネギが辛くなる仕組み

タマネギには「アリイナーゼ※」という酵素が含まれており、タマネギを切ったときに細胞組織が壊されることで働き、辛みが発生する原因を作ります。

アリイナーゼ自体は辛みそのものではなく、辛みや催涙因子の前駆体に作用することが明らかになっています。その際、同時に辛みの指標となる成分の「ピルビン酸」の生成に作用するため、タマネギを切る時にアリイナーゼの流出を抑えることが、そうした成分の発生を抑えることにつながります。なお、「アリシン(硫化アリルの一種)」は、辛みや催涙因子のひとつとなります。

辛くないタマネギの切り方はこれ!

辛くないタマネギにするためには、できるだけ組織を破壊しない=断面のダメージが少ない切り方を選ぶこと。そこで、食材を切る時によく使う「押し切り」と「突き切り」でどんな違いがあるのか比べてみましょう。

●切り方:押し切り

包丁の切っ先(先端)をまな板に当て、刃の根元の方を下ろして切る。下ろすときは、下のイラストのように真下に勢いよくではなく、前に押すつもりで下ろすようにする。

押し切りの切り方

●切り方:突き切り

包丁の刃全体が、まな板と並行になるように保ち、刃の先の方を食材に当てて、少し力を入れて前に突いて切る。下のイラストのように、刃の切っ先は下げず、刃とまな板が常に平行になるようにする。

突き切りの切り方

下のグラフは、押し切りと突き切りでの断面のダメージを比較したものです。突き切りの方が、凹凸が少なくなめらかで、高低差が少ないことを示しており、食材の組織の破損が少ないことが分かります。

押し切りと突き切りによる切断面の凹凸の分布図のグラフ

包丁は良く研ぎましょう

下のグラフは、切れ味の良い包丁と悪い包丁を使って突き切りをしたときのピルビン酸生成量を示した実験グラフです。同じ突き切りでも良く研いだ包丁の方が、より生成量が少ないことが分かります。

切れ味の違う包丁で突き切りをしたときのピルビン酸生成量の違いのグラフ

最後に

タマネギの辛みを抑えたい場合、よく研いだ包丁で、突き切りでカットしましょう。

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最終更新:2023.01.05

文:アーク・コミュニケーションズ
イラスト: 林タロウ
監修:カゴメ
参考文献
『素材の力を引き出す包丁の使い方』辻調グループ エコール 辻 東京編著(ナツメ社)
出典:
J-STAGE「切断操作が及ぼす食材へのダメージ評価」(タマネギの辛みと切り方の関係)
農研機構「タマネギの収穫直後と吊り玉貯蔵後の内容成分からみた品種特性」(タマネギのピルビン酸とは)

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