決算説明会(個人株主のみなさま向け)

個人株主のみなさま向け

2020年12月期決算説明会オンライン

当社は、より多くの株主のみなさまにカゴメをより深く知っていただくために、「対話と交流の会」を実施しています。今年の「個人株主のみなさま向け決算説明会」は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点に加え、どのエリアの株主さまにもご参加いただけるようにオンラインで開催いたしました。

決算説明会の流れと参加株主さまのご意見・ご感想

ご参加いただいた株主さまのご意見・ご感想とともに当日の模様をご紹介いたします。

① 社長ビデオメッセージ

代表取締役社長の山口聡よりビデオメッセージにてごあいさついたしました。

② 決算説明

財務経理部門の福田聡一朗より2020年12月期の決算をご説明いたしました。

③ 事前にお寄せいただいたご質問への回答

最も多くいただいたご質問は「新型コロナウィルスの影響について教えてください」でした。
こちらを含めた7問のご質問に
執行役員経営企画室長の藤関明宏と執行役員財務経理部長の佐伯健からご回答いたしました。

事前にいただいたご質問と回答(抜粋)

Q:新型コロナウイルスの影響について教えてください。
A:当社では、国内の家庭用商品、業務用商品、米国の業務用商品の3つのカテゴリーにおいて、コロナの影響を大きく受けています。国内の家庭用商品は、巣篭り需要などを反映し、2月以降、年間を通して、前年を上回る水準で推移しました。国内の業務用商品は、コロナの影響が最も深刻であった4月を底に、徐々に回復傾向にありますが、コロナの感染状況によって売上収益の変動が続いています。米国の業務用商品についても、4月を底に回復傾向にありますが、国内業務用商品と同様に上がり下がりを繰り返している状況です。このように、ご家庭でご利用いただく商品の販売が大きく伸長した一方で、外食向けの商品の販売にとっては厳しい一年でした。
 コロナによって生活者の行動が変化しています。生活者の行動変化は、当社が目指す野菜摂取量を増やす重要な機会になると考えております。健康志向の高まりから「免疫力の強化」に関心が集まっており、生鮮野菜や野菜の加工品は需要拡大のチャンスです。また家庭内での調理や食事の増加は、トマトケチャップやトマトソースの利用機会の増加につながるとともに、商品価値を再確認いただくチャンスとなります。 トマトケチャップの汎用性やトマトソースの利便性などを伝えてまいります。
そして、コロナへの感染予防に伴う購買行動の変化は、当社通販事業を拡大するチャンスにもなります。このような変化を機会ととらえてさまざまな施策を展開し、「野菜の会社」への成長を加速してまいります。

Q:原材料の品質の向上への取り組みについて教えてください。
A:カゴメは創業以来、自然の恵みを活かし、体にやさしく、楽しい食の提案に努めてまいりました。この考えは、お客さまとのお約束であるブランド・ステートメントの「自然を、おいしく、楽しく。KAGOME」という言葉に集約されています。「よい原料」はよい畑から。カゴメの商品づくりは畑から始まっており、「畑は第一の工場」と考えて品質管理を行っています。
 カゴメの原料調達の基本は契約栽培です。食品メーカーが安全な原料を得るためには、農家の方々のご協力が欠かせません。そのためにカゴメは、 「契約栽培」 という調達方式を100年にわたって培ってまいりました。
 また、カゴメでは、国内でのトマトの契約栽培で培ってきた原料作物への思いと経験を、海外からの原料調達にも活かしています。海外の農産加工メーカー(サプライヤー)から調達する農産原料については、基本的に調達先現地を訪問し、栽培から製造工程までの品質管理状況の確認を行っています。

Q:野菜の機能性や価値をもっと伝えられませんか?
A:野菜のビタミンやリコピンの効果効能については、各種論文などで発表しています。
また、「日本の野菜不足ゼロ」を目指し、社員が「野菜マエストロ検定」により野菜の正しい知識を身に付け、野菜の魅力伝道師として活動しています。商品については、根拠ある「健康価値」をお客様にわかりやすくお届けするために、機能性表示をすることでお伝えしています。

④ 質疑応答

その場でのご質問7問に
執行役員経営企画室長の藤関明宏と執行役員財務経理部長の佐伯健からご回答いたしました。

当日のご質問と回答(抜粋)

Q:環境への取り組み、脱カーボンについて教えてください。
A:生産の際に使うエネルギーを太陽光エネルギーに変えたり、バイオマスを活用するなどの取り組みを進めています。また、再エネ証書を購入して脱カーボンを達成していくということも議論しており、昨年はじめてJクレジットを購入しました。2050年に向けてのハードルが非常に高いのですが、技術の進歩にも期待しながら、企業としてできることを1つ1つ進めていきたいと考えています。

Q:「野菜の会社」をどのように目指すのか。トマトの次の核となるような野菜を育てようとしているのか。それとも、野菜全般に取り組もうとしているのか。
A:野菜の会社に向けて、大きく2つのことに取り組んでいます。
1.既存野菜の取り扱いを拡張
 当社がこれまで得意としているトマトや人参などの野菜に加え、他企業との協業などによって新たな野菜の取り扱いを強化しております。具体的な事例として、北海道の壮瞥町において、地元の農業法人とそうべつアグリフーズという合弁企業を設立し、生タマネギの調達・販売を開始しました。今後はオニオンソテーなどの加工品も手掛けていき、人手不足が課題となっている中食や外食産業へのタマネギ加工品の販売を目指してまいります。
2.新野菜の研究・開発
 当社の研究開発を担うイノベーション本部において、新しい品種の野菜の研究開発を行っています。栄養価が高く、食味のよい野菜を開発し、近い将来皆様のもとへお届けできるように研究開発を進めてまいります。以上のことに取り組みながら、「野菜の会社」として取り扱う野菜を増やしていき、日本における野菜摂取量の向上に貢献していきたいと考えております。

Q:カゴメが行っている社会貢献活動について教えてください。
A:弊社では、自助・公助だけでは解決できない社会的なテーマに対して、積極的に共助の仕組みの構築を目指しています。主な活動をご紹介しますと、東日本大震災による震災遺児たちの高校進学後の進学支援のために2011年に設立された「公益財団法人みちのく未来基金」の運営に設立当初から携わっており、現在までに901名の子ども達の進学を支援してまいりました。約1800名と言われる震災遺児達の進学の夢が途切れることがないよう、震災当時おなかの中にいた子が卒業するまで長期にわたって活動を推進していく考えです。また、「一般財団法人カゴメみらいやさい財団」を2020年10月に設立しました。こちらは「子どもに笑顔を地域に笑顔を」という理念の元、地域の食育活動や子どもの貧困対策に取り組む団体に助成金の給付などの支援を行い、健全で豊かな心を育む社会の実現に貢献していきたいと考えています。その他には、コロナ禍において昨年の春と年初の緊急事態宣言の際に当社が協定を結んでいる自治体や医療機関に対して、野菜飲料を8万本ほど無償で提供しております。引き続き、積極的に社会貢献も果たしていきたいと考えています。

参加株主さまのご感想(抜粋)

  • ・なかなか説明会に出席する余裕がないのでオンライン開催はありがたいです。また他の株主の方のご意見を聞けるのも勉強になります。優待も楽しみですが、このように株を持って企業の成長を数字だけではないところでディスカッションできる機会を持てるのは、とても良いことだと思いました。
  • ・会社員をしていて株主総会にも参加できないので、今回の試みは非常に良かったです。
  • ・今回のオンライン説明会は遠隔地にいる私には大変ありがたい内容でした。夫婦共100株の株主ですが応援しています。
  • ・「事前質問」の回答についてですが、複数の質問を1つに要約する必要性も理解できますが、できますれば全てについてご回答頂ければ良かったと思います。カゴメ様が今後アグリテックをどのように推進していくのか、実績として他社に後れを取ることなく「KTH」を導入されたことを踏まえ、これを更に発展させ、持続可能な国内農事業を支えながら利益も着実に出していく施策を力強く推進していただきたいと願います。
  • ・初めてのオンライン説明会に参加させていただきありがとうございました。たいへん丁寧な運営に感心しました。 社長のリアルトークを聞けるとなおよかったかと思います。
  • ・社会人が一般的に考えている野菜とは異なるようなことがあるように思えました。これからどのように変化していくか期待したいと思います。
  • ・企業の社会貢献を知ることができました。おいしいトマトをこれからも改良を重ねて頑張って栽培してほしいです。 地球温暖化対策もお願いします。
  • ・株価を上げる為の施策を。
  • ・野菜の前に修飾語を付けてはどうか。美味しい野菜、カゴメの野菜等。
  • ・今回はコロナ禍に、最善の開催をしていただき、ありがとうございます。 最後に佐伯様が言われた、執行判断を株主に理解してもらうための対話という姿勢に、感激しました。
  • ・減損をせずに済むよう、しっかり経営してもらいたい。

限られた時間ではございましたが、カゴメの今をお伝えすることができました。
これからも、株主さまとの対話と交流の会を企画してまいります。
引き続き、カゴメの取り組みへのご理解ご協力をお願いいたします。

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